高いリターンも可能な新興国債券ファンド
リスクをもっととってもいいので大きな為替差益と高い利回りがほしい、と考えるなら、新興国の金利水準は5~10%前後と先進国よりも高いのが魅力
現在の急激な円高の背景には、先進国の財政悪化による主要通貨の信認の低下があります。その一方で高成長をつづける新興国の信用力は段々と向上してきていて、先進国とは反対に格上げされる国も多くなってきています。格上げされると利回りは低下しますが、債券価格の上昇が期待できます。
また、新興国の通貨の価値も短期的には乱高下しても、長期的には高まっていくことが予想されています。主要通貨より大きな為替差益が期待できるため、長期の投資先として魅力的といえるでしょう。
新興国債券ファンドの組入れ通貨はトルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソ、インドネシアルピア、マレーシアリンギット、ブラジルレアルなど。新興国は政情不安などによるカントリーリスクも高めですが、投資信託をつかえば幅広く分散投資が行えるので、新興国通貨特有のリスクをおさえながらハイリターンを狙うことが可能です。
ただし、現在は先進国債券の利回りが大きく低下する中、高利回りを求める資金が新興国債券に流入しています。新興国の債券市場は規模が小さいため、投資マネーの動きによって値動きが乱高下しやすいのでご注意ください。
さらに高いリスクがとれるなら、債券ファンドではなく株式ファンドに投資して「為替差益と株式の値上がり益」を同時に狙うという手もありますよ。
商品選びは自分の投資目的にあわせて
商品をえらぶ際は、自分が為替差益に注目したいのか、為替差益と高利回りの両方を狙いたいのか、リスクはどれくらいとれるのかなど投資目的に合わせて選ぶとよいでしょう。外貨資産への投資で大事なのは、たとえ当分は円高がつづいてもあせらずゆっくり投資を継続できること。タイミングで勝負をかけるのではなく、積立投資など購入時期をずらしながら購入することをこころがけてください。