アナログテレビの不法投棄が増加

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テレビの完全デジタル化(一部地域除く)。懸念は、増える不法投棄

テレビ放送の完全デジタル化に伴い、それまで使用していたブラウン管アナログテレビが不法投棄される例が後を絶ちません。これは、古いテレビの所有者がテレビを処分するときに、収集運搬料金(500円から5000円程度)やリサイクル料金(1500円から4000円程度)を支払う必要があり、この出費を抑えるために不法投棄していることが原因だと考えられます。また、業者による大量の不法投棄の事例も多くなってきており、地域住民を巻き込む環境問題に発展しています。そこで今回は、自分の土地に不法投棄をされた場合の対処法検証していきます。


自分の土地の不法投棄、勝手に廃棄処分できる?

自分の土地に無断でブラウン管アナログテレビ等の不法投棄の廃棄物を放置されたとしても、わが国の法律では、原則として、法律の手続を経ずに自力で権利を回復することは禁じられています。また、土地所有者が民間の産業廃棄物処理業者に頼んで廃棄物を処分しその費用を負担しても、不法廃棄者が誰だかわからないなどの理由から、その費用を回収することは、事実上難しいと考えられています。


不法投棄の廃棄物に対する措置

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不法投棄を見つけた時の対処方法とは?

では、自己の土地にブラウン管アナログテレビ等の不法投棄の廃棄物を不法投棄された土地所有者はどのように対処すればいいのでしょうか?

1.まずは、各地方公共団体に連絡をしましょう
土地の所有者等は、その所有する土地に不法投棄等の廃棄物と認められるものを発見したときは、速やかに各地方公共団体に相談しましょう。この点については、2011年の産業廃棄物処理法の改正によって、土地所有者等の通報努力義務が明文化されました((産棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)第5条)。

2. 不法投棄の予防に努めましょう
廃棄物に、発見日時が明確になるような印を付け、いつからその不法投棄の廃棄物が残置されているのか明確にしましょう。また掲示板を設置し、柵を設けるなどして警告を行いましょう。

3. 警察に相談しましょう
不法投棄を発見した場合には、警察に対して、犯人の特定やパトロールの協力を求めましょう。不法投棄をすると、5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金またはこれを併科されるなど、厳しい罰則が設けられています(廃棄物処理法第25条、第16条等)。年々不法投棄の数が増えるにつれ、罰則によって処罰される人数も増えてきています。なお、不法投棄等を行った法人に対しては、最高3億円の罰金に引き上げられ、罰則が強化されました(廃棄物処理法第32条1項)。

4.法的措置を検討しましょう
不法投棄の廃棄物の所有者・占有者を特定して、撤去を求める方法が考えられます。また、土地所有権を侵害されたとして不法行為に基づく損害賠償請求をする方法(民法第709条)も考えられます。さらに、不法廃棄者が撤去に応じない場合は、裁判所に強制執行を申し立て、第3者に代わりに撤去してもらい、その費用を不法廃棄者に支払わせる方法も考えられます。

もっとも、不法投棄者を特定するのは非常に困難であり、また裁判所に認められたとしても、その手続には多額の費用や労力がかかります。したがって、法的措置をとるのは不法投棄者が明らかであり、かつ、不法投棄による被害も甚大で法的救済にふさわしい事例の場合に限られるでしょう。


おわりに

以上のように、不法投棄はさまざまな法的問題を生じさせます。「リサイクル料金がもったいない」「誰かが処理してくれるだろう」という安易な気持ちで不法投棄がなされています。また、各地方公共団体は、不法投棄された廃棄物を処理する多額の処分費用の支出を余儀なくされています。不法投棄の廃棄物を発見した場合には、行政機関や警察と協力しながら、廃棄物の撤去や不法投棄者への責任追及などの措置を適切にとっていきましょう。また、困ったときには弁護士などの専門家に相談されることをお勧めします。
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