株・株式投資

株式を貸して利息を貰う、貸株サービス

株式投資では、株式の値上がり益を狙うことや、配当金、株主優待が主な投資目的と言えます。実は、株式等を持つことで更に収益を上げる方法があるのです。その方法とは……。

平野 泰嗣

執筆者:平野 泰嗣

ふたりで学ぶマネー術ガイド

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株式が利息を生む、貸株サービスとは

株式投資では、株式の値上がり益を狙うことや、配当金、株主優待が主な投資目的と言えます。実は、株式等を持つことで更に収益を上げる方法があるのです。

それは、証券会社が提供する貸株サービスを利用することです。貸株サービスとは、証券会社の顧客が保有している株式等(※)を証券会社に貸し出すことによって、証券会社から貸株料を受け取ることができるサービスです。

証券会社は、顧客から借り受けた株式等を機関投資家が参加する「貸株市場」に貸し出すことで貸株金利を受け取り、顧客へ貸株金利を支払うという仕組みになっています。
貸株サービスの仕組み(ガイド平野泰嗣作成)

貸株サービスの仕組み(ガイド平野泰嗣作成)


※貸株サービスの対象銘柄は、国内金融商品取引所に上場している銘柄で、株式の他、上場投資信託(ETF)や上場不動産投資信託(J-REIT)なども含まれます。証券会社によって取り扱いが異なる場合がありますので、利用している証券会社にご確認ください。

■貸株金利はどのくらい? 貸株サービスの金利比較
主なネット証券の貸株サービスの金利を調べてみました。マネックス証券のボーナス金利銘柄は、なんと1.0%の金利がつきます。それ以外でも、0.2%から0.3%の金利なので、ネット銀行の1年定期預金に見劣りしません。
・SBI証券  全銘柄一律0.3%
・マネックス証券  ボーナス金利銘柄 1.0%、他 0.2%
・カブドットコム証券  全銘柄一律 0.25%
※平成23年7月1日時点


気になる配当金や株主優待は?

■配当金は配当金相当額として支払われる
「株式を証券会社に貸してしまったら、配当金や株主優待はどうなるの?」という疑問を持たれる方も多いでしょう。貸株サービスを利用した場合、配当金は株式の発行会社から支払われるのではなく、源泉徴収税額を差し引いた配当金相当額が証券会社から支払われることになっています。この場合の配当金相当額は、配当所得ではなく、雑所得扱いになるので注意が必要です。

■株主優待は、「優待権利自動取得」設定で……
一方、株主優待についてですが、株主優待の権利を得るためには、権利確定日に株式の名義人になっている必要があります。

貸株金利比較で取り上げた、SBI証券、マネックス証券、カブドットコム証券などのネット証券などでは、「優待権利自動取得」設定(※証券会社によって名称が異なります)をすることで、権利確定日に自動的に株式が返還され、株主優待の権利を取得することができます。


貸株サービスの利用と注意点

■どんな人に向いているの?
長期保有目的に投資を行っている人が、貸株サービスに向いていると言えるでしょう。具体的には、株主優待のある銘柄を優待目的で長期保有しているケース、ETFを活用して分散ポートフォリオを組んでいる人、J-REITなど配当目的で長期投資をしている人、長期的な視野で投資銘柄を選んでいる人などが考えられます。一方、短期売買で、値上がり益を追求する人であれば、0.2~0.3%の貸株金利には興味を持たないかもしれません。

■貸株利用上の注意点~証券会社の信用リスクを負う
貸株は、文字通り株式を証券会社に貸していることになります。証券会社が万が一倒産した場合、株式等の時価相当額の返還請求権を持つ一般債権者となります。また、投資者保護基金による保護の対象になっていません。つまり、証券会社の信用リスクを負うということになりますので、注意が必要です。

※貸株サービスの内容は、取扱証券会社によって異なりますので、利用の際は、証券会社のホームページ記載事項を確認するか、問合せ窓口にてご確認ください。
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