アンティークに慣れ親しむ環境
水上さん自身が愛用していた革靴や古着をディスプレイ。革のバッグは自作だそうです。
この一葉だけ眺めると、クラシックな紳士靴店のようにも見えますね。
凝った美しい意匠のキャビネットの中にはさまざまに光を反射する香水瓶や、真っ白な陶製の紳士靴のオブジェなど、固有の小さな世界を持つモノたちがディスプレイされていて見飽きることがありません。
イメージは「イギリスの倉庫」
左:地名の並ぶ黒幕は、ロンドンのバス乗り場の行き先案内だったようです。右:キャビネットの内部。
カフェづくりのイメージは「イギリスの倉庫」でした。古いものや、少し不思議なものが集められ、編集されたその店内は、「自分の好きなものを立体化した空間」なのだといいます。
たとえば、黒い幕をあしらった写真上左のコーナーの何気ないセンスの良さ。そういえばアメリカの美術館のファサードにはよくこんな長い幕が下がっているな……と思いましたが、カフェの店長としておもてなしを担当する奥さまの芦田幸代さんに訊ねると、どうやらロンドンのバス・ステーションで使われていたもののよう。
この空間で唯一の女性らしいアイテムだった真珠の襟飾り。キッチンまわりに女性的なデザインを集約しています。
そしてこのキーワードは、隅田川にかかる橋を渡ればすぐに現代アートの聖地、丸八倉庫ビルに開かれた小山登美夫ギャラリーやTaka Ishii Galleryがあるという立地と、よく響き合っているのです。
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