利息に影響するのは、借入額・金利・期間の3つ
住宅ローンの返済額は、元金(借りたお金)と利息の合計です。元金を返済しないわけにはいきませんから、総返済額を少なくするためには、利息を減らすことを考えます。利息に影響するのは、借入額・金利・期間の3つです。3つのうち、ひとつでも大きくなれば利息が増え、小さくなれば利息が減ります。前回は金利差による総返済額の軽減効果について確認しましたが、今回は期間が与える影響に着目しましょう。
返済期間が短いと総返済額が減る
住宅ローンの返済期間を短くすると、総返済額を少なくできます。利息の負担が減るからです。下図は、3,000万円を2%で借りた場合の試算です。返済期間による差を見てみましょう。期間を35年とすると、毎月の返済額は、99,378円です。繰上げ返済をしないでスケジュール通りに返済を続けると、35年間の総返済額は4,180万円弱。1,180万円近くの利息を支払うことになります(4,800万円-3,000万円=1,800万円)。
1年短くして34年にすると、総返済額は約4,140円に減ります。その結果、利息負担は1,140万円です(4,140万円-3,000万円=1,140万円)。35年を選んだときより、40万円も少なくてすみます。期間を短くすると、利息を減らすことができます。
毎月ほんの少しの頑張りで差が出る
いいことばかりではありません。返済期間を短くすると、毎月の負担が増えてしまいます。例えば、35年返済を34年返済にすると、毎月返済額が2,000円と少し増えます。でも、毎月2,000円くらいなら、ちょっとした工夫で頑張れるかもしれません。その効果は先に見たとおり。総返済額をおよそ40万円も少なくできるのです。毎月2,000円を捻出できたとして、更に予算を増やすことを考えてみます。その場合、返済期間を35年に据え置くと、借入額を60万円ほど増やすことが可能になります。
3,000万円に60万円をプラスして、3,060万円を借りるとしましょう。35年返済にすると、毎月返済額は101,366円。総返済額は約4,260万円で、利息負担は約1,200万円になります(4,260万円-3,060万円=1,200万円)。借入額が増えた分、利息の負担も増える計算です。
捻出した2,000円をどのように利用するか。期間を1年短くするか、借入額を増やすか。いずれにしても、無理は禁物。住宅ローンの返済は、「続けられる」が大前提です。先々で厳しくなってしまうことのないように、計画してください。
次に住宅ローンの2つの返済方法とその総返済額の違いについて見てみましょう