スタートダッシュには盛大に失敗したPS3だが、最近は(北米など一部地域を除いては)なかなか好調だ。とは言え勢いでは国内のPSPには及ばない。
残念ながら、据え置きゲーム機の黄金時代は過去のものだという見方が大勢を占めている。特に高精細な映像を売りにするハイスペックなものは開発メーカーからも敬遠されがちだ。
開発費の高騰から考えても当然なことで、PSPなど低コストで開発できるタイトルでヒットを狙ったほうが収益率がよいと判断されても仕方がない。
PS3でこの状態なのだから、その次の世代のゲーム機はまだまだ考えにくい。
Wiiの普及も鈍化しており、欲しい人に行き渡わたった感じも否めない。そこで発表されたWii Uは、当初想像されたハイビジョン対応Wiiというだけに足らず、なんとコントローラにタブレット端末を用意した。
タブレット端末の関心の高さを考えてもかなり効果的なアイディアである。Wiiとの互換性も含め、どのようなハードになるのか興味は尽きない。
ハイビジョン対応は業界の潮流として、それだけではないアイディアを詰め込んだということにある種の「据え置きの限界」を感じさせる。
現在のゲームの遊び方を考えたときに、リビングを占領し続けるのは難しいのである。
携帯ゲーム機やスマートフォン、携帯電話などが個人やネットワーク越しのゲームプレイを提供してくれる現在、家族共有のリビングでテレビを長時間占有する機会は減少している。
Wii Uは、「リビングのテレビを付けなくてもWiiが使えますよ」というバイパスを用意することによって、Wiiの稼働率を上げるという戦略でもある。
対してSCEが取った戦略は「PSPリマスター」、そして「トランスファリング」である。