企業にも株主にもメリットがある
自社株買いは、企業にとっても、株主にとっても好材料です。企業は自社株買いを行うことで、自社が保有する持ち株の比率を高められます。たとえば、敵対的買収を避けるために自社株買いを行ったりもします。株主にとっては、まず1株の利益が上がることで、利益が還元されます。他には、自社株買いが行われることで継続的に買いが入るため、株価の下支えが期待できます。
自社株買いの中身に合わせて買う方法
しかし、日本駐車場開発(2353)の自社株買いの発表資料をよく見て下さい。自社株買いを行う総額と共に、自社株買いを行う期間が書かれています。つまり、自社株買いはずっと行われるものではなく、金額、期日を決めて行われるものなのです。さらに、発表はあくまでも予定であって、発表通り全額、全期間で行われるかはわかりません。●参考:日本駐車場開発(自己株式取得に係る事項の決定に関するお知らせ)
マネックスグループ(8698)の株価チャートを見てみましょう。自社株買いを発表した日の株価上昇に丸印をつけてあります。
確かに、自社株買いの発表によって株価は上昇しました。しかし、儲けが出た投資家の売りや相場の地合いに左右されているのか、その後も連日急騰が続いているのかというとそうでもありません。
現在のように軟調な相場ならなおさら、株価の下支え効果は期待できます。しかし、相場の地合いや様々な思惑によって株価は動きます。自社株買いの発表で株を取引して儲けが出た場合には、自己株買いの期間等を考慮しながら、短期で売り抜ける方法が良いかもしれません。
自社株買いを先取りして買う方法
企業の中には、自社株買いを定期的に行っているところもあります。たとえば、今注目を集めている電力株の一つである四国電力(9507)では、毎年定期的に自社株買いを行っています。こうした情報は、企業のIR情報等で確認することができます。●参考:四国電力(IR情報・株式情報)
このような企業の場合、これまでの自社株買いの情報を見ることで、あらかじめ自社株買いが行われるであろう時期を予測することが可能になります。つまり、自社株買いが行われることを予測して、安い時に株を買って発表と共に売り抜ける、自社株先取り売買を行うことも可能になります。
ちなみに、企業が発表する資料等で、自社株買いがどのように行われているのか進捗状況を知ることができます。随時確認を行いながら売買を行っていくことが大切です。