想定外のリフォーム計画にはアイデアにも無理があった
やむを得ずリフォームしなければならない時。そんな時ほど自分だけでプランを考えていると、いつの間にか本来の目的が見えなくなってしまうこともあるようです。
リフォーム業者に住まいを調査してもらったところ、1階と2階の壁や柱の位置がずれているため、間取りを変更するには2階床の補強工事などが必要となり、一般的なリフォームよりもコストがかさむことがわかりました。提示された見積り金額は約460万円でした。
訳あってご両親と同居することになったというやむを得ない事情があるとしても、築16年という時期は大掛かりなリフォームには若干早すぎること、また貯金も十分であるわけではなく、子どもたちのこれからの教育費のことを考えると不安が大きいことから、Bさんは見積り書を前に考え込んでしまいました。
460万→270万:発想の転換!収納増で居住空間増!
そんな悩むBさんに対し、打ち合わせに来ていた業者は一言「間取り変更有りきのリフォームプランには無理がありそうですね。むしろ今のお部屋を有効に活用する収納リフォーム中心のプランに変更してみてはいかがでしょうか」。Bさんも冷静になって考えてみると、両親が同居することでとにかく部屋数が足りないという思い込みが半ば強引なリフォーム案を引き出してしまい、住まいの構造などの知識のないまま「間取り変更しないとリフォームできない」という先入観にとらわれてしまっていたのでした。その後のBさんは「リフォームのためのリフォームプラン」ではなく、「ご両親と子どもたちと一緒に暮らせるリフォームプラン」を業者に提案してもらうことができ、ほとんど間取りには手をつけず、デッドスペースを活用するリフォームプランを採用することにしました。これによりモノをしまうだけだった部屋が子どもたちの勉強部屋として活用でき、また普段あまり使っていなかった和室をご両親の寝室として活用することができるようになり、家族の悩みが解決しました。しかもリフォーム費用は当初は未計画だった外壁・屋根の塗装工事も含んで約270万円。リフォームの方向性を考え直しただけで、実に約200万円近いコストダウンに成功したのです。
施主、家族、業者のアイデアを持ち寄ってプランニングすべき
今回ご紹介したAさん、Bさんともに共通していることは、リフォームに対する要望がはっきりしていたことと、業者のアドバイスにも耳を傾けたということです。当初は施主(あるいは家族)だけの意見であれこれ考えていても、やはり業者からプロとしてのアドバイスをもらうことで、一気にプランに手ごたえが産まれてくるのです。また、業者の意見をそのまま丸飲みするのではなく、自分や家族の要望がかなえられるのかをじっくり見極めることも必要です。施主、家族、業者の三者のアイデアを持ち寄り、組み合わせることで、リフォームはもっと楽しく、快適なものになるものなのです。