北京東方広場の資産内容
昨年末のショッピングセンター「東方新天地」と高級オフィス「東方経貿城」の稼働率はそれぞれ100%と97.4%で、1平米当たりの月平均賃貸価格は813元と165元でした。これは北京の百貨店・ショッピングセンターの平均稼働率77%や、平均賃料の519元/平米よりよく、また高級オフィスの稼働率86.5%、平均賃料159元を上回ります。「北京東方君悦大酒店(グランドハイアット北京)」は825部屋を持つ5つ星ホテルです。
不動産顧問会社のDTZによると、2011年~2013年の間、北京の小売物件は124.9万平米の新規供給が増える見込みです。そのため競合が激しくなることから稼働率が低下し、賃料の上昇が減速する可能性があるとのことです。しかし東方新天地のある地域は北京の一等地であり、賃貸料金水準が一番高く、しかも小売物件の供給が少ないため、賃料への悪影響はないと予測されます。
また北京の高級オフィスの新規供給は同期間に61万平米増で、2012~2013年にかけては新規供給が少なく、オフィス賃料は高い水準に維持できる予測があります。DTZ社によると、今後3年間の北京高級オフィス賃料は年平均5.2%上昇し、平均稼働率は2010年第4四半期の86.5%から2013年に95%にまで上昇するとの予測です。
北京の高級ホテル市場はオリンピック直後は競合が激しくなり、稼働率も大幅に下降していました。しかし2010年以後は回復し続け、東方君悦の2011年3月の平均稼働率は72.9%でした。
竣工後の7年間、匯賢REITの売上と利益の年平均成長率はそれぞれ14.3%と19.3%となっています。売上げは商業施設から入る賃料収入ですが、純利益が大幅に前後しているのは物件の評価価値の変動によるものです。独立系第三機関の評価会社によると、東方広場の2011年1月31日末時点の評価価値は314億人民元となっております。
インカムゲインを重視する日本人投資家にとっても海外リートは魅力的です。不動産投資とは人が集まり、ビジネス機会の多い場所への投資です。特に中国のリートは人民元高も期待できますし、円高を利用して長期投資を考えることができると思います。
※参考:中国株通信