株式戦略マル秘レポート/戸松信博の「海外投資、注目銘柄はここ!」

5月~10月に株を買ってはいけない

株は秋に買い、クリスマスラリーに乗せて利を膨らませ、春に売るに限る、という格言があります。では、本当に秋に買って春に売るのが正解か、数字で検証してみようと思います。

戸松 信博

執筆者:戸松 信博

外国株・中国株ガイド

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5~10月に株を買ってはいけない

5月~10月は株購入に不向き?

5月~10月は株購入に不向き?

昔から米国では、よく知られている格言として、株は秋に買い、クリスマスラリーに乗せて利を膨らませ、春に売るに限る、とうものがあります。逆に5月から10月は調子の良くない時期であると、毎年のように言われます。では、本当に秋に買って春に売るのが正解か、数字で検証してみようと思います。ここでは、その逆パターンである、春に買って秋に売るケースと比べてみたいと思います。具体的には下記のような検証です。

1)最悪月と言われる9~10月を傍観した後、毎年10月末でダウを買い、4月末で売却する場合(残りの期間はキャッシュで温存)
2)反対に4月末に買って10月末で売った場合(11~4月は現金で保有)

5月~10月の投資は圧倒的に良くない

5月~10月の投資は圧倒的に良くない

それぞれの半年間投資で積み上げた累計パフォーマンスを1929年~2010年まで調べてみた結果が左図です。

差は思った以上に顕著に出ました。82年間通した平均で見ると、


1)5~10月だけ株をする場合、その間の平均年間リターンは僅か1.0%で、
2)11~4月のみ投資をすれば平均5.5%儲かったことになります。

年間で4.5%の差ですが、この差が82年も複利で続くと劇的な差となります。同じように初めに1万ドル投資し、それぞれの半年間だけ投資して、残りのぞれぞれ半年は休むを繰り返した場合の資産残高は以下のようになります。

1928年以降、毎年ダウに11~4月の期間だけ投資した場合の実績

1928年以降、毎年ダウに11~4月の期間だけ投資した場合の実績



1928年以降、毎年ダウに5~10月の期間だけ投資した場合の実績

1928年以降、毎年ダウに5~10月の期間だけ投資した場合の実績



11~4月の半年間だけ投資した場合は、特に1941年以降はほぼコンスタントに増えて先月末で35万ドルほどになった計算です。一方、5~10月だけに投資すると、初めの1万ドルは82年経ってまだ1万3千ドルほどにしかなっておらず、殆ど投資成果のなかったことになります。

ここまで数字で出ているということは、偶然ではなく、何らかの力が明らかに株価に影響を与えているのだと思います。日本株をするにしても、近年では日本株の価格変動のうち、65%ほどが米国株の動きで説明がつき(連動する)、残り35%ほどしか日本独自の要因はないとも言われます。つまり、米国ダウのシーズン性に影響を受ける割合が高いということですが、日本ほど比率は高くないとしても、日本人にとっての中国株やブラジル株、インド株などにも同じようなことは言えると思います。

これらの事は今後の投資人生で知っておいて損のないことだと思います。

※参考:グローバルグロースレポート
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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