その名前は半世紀に渡って愛され続けてきた

マン・マキシマム/マシン・ミニマム。名は体を表す。
モーリス・ミニ・マイナー

アレック・イシゴニスが設計、1959年に登場した“クラシックミニ”。オースチン・セブン&とモーリス・ミニ・マイナーという名前で販売された


クラシック“ミニ”(2000年以前のモデル)ほど、これらのフレーズが似合うクルマはない。オースチン・セブン&モーリス・ミニ・マイナーは、大衆車に一大革命を起こし、40年以上の長きに渡って愛され続けた。その間、単にミニ(オースチン、モーリス、ローバーなど)という車名になり、さらには21世紀になって(1990年代にローバーを買収していた)BMW社から発表されたニューミニに至っては、それはついにブランド名へと登り詰めた。言ってみれば“トヨタコロナマーク2がトヨタマーク2になり最後に(どこか別の会社が丸ごと買収して)マーク2となった”ようなものだから、いかにミニという名前が、そしてクルマそのものが、この半世紀の間、愛されていたかが分かるだろう。

普遍性ある個性に満ちたコンセプトとデザイン

ミニE

ドイツやイギリス、アメリカに続き、日本でも2011年3月より実証実験が行われているミニをベースとした電気自動車のミニE。エンジンの代わりに最高出力150Kwのモーターをフロントに積んで前輪を駆動。後席があった場所には250kg、35kw/hの大容量リチウムイオン電池を積んでいる。最大実用航続可能距離は180km

現代のミニは、コンセプトとデザインのエッセンスをクラシックから引き継ぎつつ、社会や市場の要請にも応えるサイズや性能で登場した。そこに以前のミニからの息吹や正統性を感じるか否かは当人次第だが、21世紀のミニが、歴史や伝統に縛られることなく、世界中で支持を受けていることだけは間違いない。生まれ変わって2世代目を迎えるが、オーナーのなかにはクラシックミニなど知らない人も大勢いるはず。裏を返せば、ミニのコンセプトとデザインには、ある種の普遍性がある。

その結果、ミニは何物にも代え難い、世間の評価や格付けに影響されない存在として重宝されるようになった。だから流行りのダウンサイジング先としても有効であり、またファッション性が豊かであるとユーザーには映る。

オプションが飛ぶように売れることも含めて、カーメーカーにとっては今、最も“憧れ”のビジネスモデル。これはほとんど大衆車界のフェラーリである。

ラインナップに上下関係は存在しない

ミニ

コンバーチブルやクラブマン、クロスオーバーもラインナップ

ミニにも、もちろんグレードはあるし、コンバーチブルやクラブマンといったスタイル違いもある。最新モデルのクロスオーバーに至っては、ミニサイズであることを止めて、4ドアや4WDのファミリースタイルまで手に入れた。

けれども、全ラインナップのなかに(値段の差はあっても)精神的な上下関係は存在しない。ONEに乗っていて、クーパーSが横に並んでも、何も思わない。これもまた、ミニ人気のヒミツだろう。当然、中古車人気も高く、リセールバリューも期待できる。
JCW

往年のミニチューナー、ジョン クーパーの名前を冠したハイパフォーマンスモデルがジョンクーパーワークス(JCW)。ハッチバック、コンバーチブル、クラブマンに用意されている


すべての人にオススメできるクルマは、結局のところ、まったく個性はないけれどもよくできたクルマか、普遍性ある個性に満ちたクルマのどちらか、ということなのかも知れない。もちろん、ミニは後者である。誰でも乗れるが、芯のある人の方が、よく似合うと思う。