ネット定期保険より安い定期保険とは?
生命保険は一般的に10年以上という長期の契約になり、しかも、家計の中では必ず出費する固定費なので、わずかでも安い保険料の保険を探したいもの。中でも、定期保険はシンプルなしくみで、保険金額と保険期間、保険料の払い方(月払いなど)の条件を同じにすれば、比較は簡単にできます。つまり、安い保険を探しやすいということ。保険料の安い定期保険といえば、ネットのみで販売している定期保険が思い浮かぶでしょう。主なネット定期保険は、ネット生命保険会社のネクスティア生命とライフネット生命が販売している定期保険と、オリックス生命が販売しているネット専用の定期保険です。このオリックス生命の保険「ブリッジ」は、他のネット定期と保険料で競争するための商品として5月9日に発売されたばかりです。
これらは、営業職員を雇ったり、営業所を借りたりの経費をかけていません。そして、宣伝や広告にかける費用も抑えています。つまり、経費を書けない分を保険料に反映して安くしているということです。
ところが、年齢・性別によっては、ネット定期保険より安い定期保険があるのです。それは、リスク細分型の定期保険で保険料が最安区分のケース。具体的には、メットライフ アリコの「スーパー割引定期保険」です。下表は、3つのネット定期保険と保険料を比べたもので、年齢・性別によっては、ネット定期保険より安いケースがあることが分かります。
タバコを吸わない健康な人は保険料が安くなる
リスク細分型とは、一般の生命保険より保険料算出の区分を細分化することで、リスク(死亡する確率)の低い人の保険料を安くする料率のことです。定期保険と収入保障保険に導入されていることの多い料率です。料率の区分数や名称は会社で異なりますが、標準体、喫煙優良体、非喫煙標準体、非喫煙優良体の4つに区分している会社が多いようです。保険料は、標準体→喫煙優良体→非喫煙標準体→非喫煙優良体の順に安くなります。つまり、タバコを吸わない健康な人は保険料が安くなるということ。
どの料率に当てはまるかを判断するには保険会社ごとに指標を設けていますが、おおむね、喫煙の有無と血圧値、BMI(身長と体重のバランス)です。タバコを吸っていないことを証明するには、対面で「ニコチン検査」を受ける必要があります。タバコを吸わずに健康に自信のある人は検討してみる価値は十分にあります。
なお、保険料の比較表を見るとわかるように、ネット定期保険のほうが安いケースもあります。それは何を意味するかというと、タバコを吸う人はネット定期保険のほうが安くすむということです。
このことは、ネット定期保険は安い、タバコを吸わない健康な人はリスク細分型を導入した保険が安いという先入観にとらわれてはいけないということを示しています。必ず、自分のケースで保険料の試算をして、より安い、よりよい保険を選ぶようにしましょう。