暮らしの法律/金銭問題

自己破産する人が増加!間違ったウワサを検証(2ページ目)

自己破産というネーミングのイメージが悪いせいか、自己破産について誤解している方がたくさんいます。自己破産をしても、海外に行けますし、選挙権もありますし、戸籍に載ることもありません。家財道具を失うこともないし、仕事も続けられます。年金や各種手当ても支払われるのです。

酒井 将

執筆者:酒井 将

暮らしの法律ガイド

自己破産に関する間違ったウワサを検証

自己破産をすると全てが終わってしまうというイメージがあるのは、次のような自己破産に対する間違った認識があるからではないでしょうか。

■破産すると家中のものを持っていかれるのでは?
上述したとおり、自己破産は、再出発するための方法です。したがって、日常生活に必要な家財道具・生活必需品を手放す必要はありませんし、児童手当・母子手当・年金等の公的扶助の需給に支障がでることはありません。

■選挙権がなくなる?
これも間違った情報です。選挙権がなくなることはありません。また、戸籍・住民票・運転免許証・パスポート等に記載されることもありません。

■家族に迷惑がかかる?
破産を敬遠する理由において、「家族に迷惑をかけたくない」という方は多いです。しかし、連帯保証人等になっていない家族(身内)に支払請求がされることはありませんし、家族が代わりに返済する必要もありません。また、家族所有の家や車等の財産を取られることもありません。

■近所の人に知られるのでは?
破産をすると、官報・破産者名簿に記載されます。官報とは、政府が発行している機関紙で、一般の新聞とは違い、書店・売店で購入できるものではありません。実際に官報を見たことがあるという人はほとんどいないのではないでしょうか。
また、破産者名簿は、市区役所等で管理しているものであり、一般の人は見ることはできませんし、公開されているものではありません。したがって、これらを通じて、破産したことが他人に知られる可能性は低いということが言えます。

■仕事を辞めないといけない?
生命保険募集人や証券外務員、警備員、行政書士、宅建業など、一部の職業については、破産が欠格事由になっています。しかし、これも破産手続き中の短い期間に限られており、免責により復権すれば、制限はなくなります。また、それ以外の通常の職業の方であれば、職場に知られることはほぼありませんから、仕事を辞める必要などありません。

自己破産を借金問題解決の選択肢に

自己破産に関する間違った情報により、破産を躊躇される方はとても多いです。
しかし、自己破産をしても、財産を持っていない方は失うものがありません。自己破産したときに避けられない唯一の不利益は10年程度は新たな借入ができない、クレジットカードの発行が受けられない。商品購入に際してローンを組めないといったことだけです。

借金の解決方法は「自己破産」だけではありませんが、解決方法の選択肢の一つに加えてみてください。
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