ネット専業銀行が従来型と違うのは、決済、総合口座、積立
各ネット専業銀行の特徴は?
銀行サービスのひとつに公共料金やクレジットカード料金などの引き落し、いわゆる決済サービスがあります。残念ながらネット専業銀行では、現在のところ公共料金の引き落しはできないところがほとんど。5行あるインターネット専業銀行の中で、公共料金の引き落としができるのはジャパンネット銀行のみ。ソニー銀行、住信SBIネット銀行、楽天銀行、じぶん銀行は引き落しできません。
これを解決する方法としては、公共料金をクレジットカード払いにし、クレジットカード料金として銀行口座から引き落とすことです。
ただし、ネット専業銀行では、引き落とせるクレジットカードの種類が少ないところもあります。各ネット専業銀行のサイトで「収納企業一覧」や「よくあるご質問」のコーナーを見て、引き落としできるクレジットカードを確認しましょう。
いざというときに便利な総合口座の仕組みも、ネット銀行にはありません。総合口座は、普通預金に定期預金などを組み合わせた口座で、普通預金の残高が不足すると自動的に定期預金の範囲内(9割まで)で貸し越して、決済や引出ができるようになっています。定期預金を解約せずにすみますし、普通預金に入金すれば自動的に返済にあてられますから、手間もかからず便利です。公共料金やクレジットカードなどの引き落とし口座が総合口座になっていれば、普通預金にお金を入金するのを忘れたとき、残高不足でピンチのときに活用できます。都市銀行や地方銀行など従来型の銀行で口座を作ると、ほとんどが総合口座となっています。
お金を貯めるのにおすすめの積立は、従来型銀行では一般的なサービスですが、ネット専業銀行ではソニー銀行のみ取扱っています。
比較してみると従来型銀行のほうがサービスの幅が広いことがわかります。
その代わり、ネット専業銀行に共通の特徴として、定期預金の金利が高い、振込手数料が安いことがあります。店舗を持たず人件費などが安く済むからです。
また、ネット銀行ごとにそれぞれ特徴のあるサービスを提供しているので紹介しましょう。
各ネット専業銀行の個性的なサービスは?
例えばジャパンネット銀行は、トークンとワンタイムパスワードを活用したセキュリティ対策が特徴で、世界中のネットショップで使えるワンタイムデビット支払いなどが利用できます。
ソニー銀行には、米ドルでの買い物をそのまま米ドル預金から引き落とせる2通貨決済クレジットカードや、アカウントアグリゲーションサービスに家計簿機能も付いたツール「人生通帳」などがあります。
楽天銀行は、楽天市場、楽天証券など楽天グループ内での利用がお得になる連携サービスや、楽天スーパーポイントが貯まり振込手数料にあてられるハッピープログラムなどを提供しています。
住信SBIネット銀行は、ネットで申し込むことができて低金利の住宅ローン、SBI証券と連動しており金利が高いSBIハイブリッド預金などが人気です。
じぶん銀行は、メッセージを添えてメール感覚で振込できるケータイ番号振込や、ATM検索が便利なスマートフォン対応サービスなどを行っています。
ネット専業銀行は、それぞれに個性がはっきりしていると言えるでしょう。銀行に自分がどんなサービスを求めるかにより選択するのがポイント。
ペイオフやシステムトラブルに備えるためにも、銀行口座は2つ以上持つのがおすすめです。従来型銀行とネット銀行の特徴を知り、上手に組み合わせて活用したいものです。