派遣エンジニアとして定年を迎える

年をとっても派遣で働き続けられるのか?派遣エンジニアにとって重要な問題です。ところが技術者派遣のメイテックでは、定年を迎えた派遣エンジニアがすでに30名、今後2年間で100名になるというのです。メイテックは製造業の開発・設計を中心にエンジニア全員を正社員雇用している派遣会社なので、必ずしも一般化できない部分もあります。しかしながら、60歳まで第一線で活躍された派遣エンジニアの方々の働き方には、派遣エンジニアのキャリアづくりのヒントがあるように思い話を聞きにいってきました。

お話を伺ったのは広報部の清水園江さん。メイテックでは、定年を迎え希望される方お1人おひとりに、キャリアの軌跡やインタビューを社内報と同じ体裁にまとめてお渡ししているとのこと。これまでに1年弱かけて12名にインタビューしたそうです。

meitec

定年された方おひとりおひとりが表紙の冊子「YOUR SYORYU」をメイテックでは応接フロアーに飾っている。


派遣エンジニアの経歴はさまざま

ガイド:皆さんとてもいい表情をされていますね。

清水さん:そうなんです。派遣エンジニアとして定年を迎えられたということは、長い間ずっと派遣先から○○さんに是非と求められ続けた方でもあるので、充実感や達成感をお持ちなのだと思います。

ガイド:定年を迎えられたのはどんな方々なのですか?

清水さん:弊社は、製造業における開発・設計の派遣エンジニアの集団(全員正社員雇用)ですが、経歴はさまざまで、いくつもの製品や開発設計工程を渡り歩いた方も、最後まで2次元CADのスキルだけで定年を迎えられた方もいます。

定年後のライフプランは人によってまったく違っています。80歳まで現役でいるために、63歳の今から英語の勉強を始めたいというバイタリティあふれる方もいれば、あえて技術の第一線からは退いて趣味の世界にという方もいます。

共通点は「挑戦」と「変化」を続けること

ガイド:皆さんに共通点はありますか?

清水さん:しいてあげるなら、「変化対応力」と「覚悟」でしょうか。

派遣エンジニアというのは、プレッシャーにさらされる働き方です。新しい職場では人間関係はゼロから。時には想定外だったり、未経験の仕事もある。能力や専門性を身につけるほど派遣料金があがり、派遣先の要求水準が自ずと高くなる。そういう環境下で常に一定以上のアウトプットを出さなければなりません。

60歳まで働き続けた方々に共通するのは、派遣先企業や自分にとって未経験の仕事でも、逃げずに挑戦する姿勢です。インタビューでも、「どんな仕事でも断らないと決めていた」「やってみなければわからないので、まずはやってみる」というコメントが多くの方から聞かれました。

加えて、求められる技術がどんどん進化するので、初めての職場・初めての仕事のみならず、専門的スキルを身につけるという点でも、みなさんどこかで「変化」を経験されています。

年代に応じた「壁」の乗り越え方

ガイド:決して平坦な道ばかりではないのですね。そういう環境下でみなさんが60歳まで派遣エンジニアを続けられたのはどうしてなのでしょう?

清水さん:年齢に応じていくつかの壁を越えてらっしゃるように感じました。

20代は、知らない職場でがむしゃらにアウトプットを出すこと。一所懸命取り組んでいるうちに、派遣先の方々にも仕事を教えて頂けるようになったというエピソードを聞きます。30~40代になると、スキルや能力を高めて評価されたいという気持ちと、派遣料金が高くなりすぎるとシビアに結果を要求されるジレンマと戦っています。50代になると、すでに培った能力や経験はあるものの、時代や社会の変化によって技術や求められるものが変わっていく中で、極端に新しくなれない自分なりの貢献の仕方を模索されるようです。

定年を迎えられたエンジニアの方々に話を聞いていると、ご本人はあからさまにそう言われることはないのですが、ある種の修羅場をくぐってきたのだと思います。

ガイド:その原動力はいったい何だったのでしょうか?

清水さん:最後は「好奇心」だとおっしゃる方が多いです。

技術が好き。だれも作ったことがないものを生み出したい。新しいことを知りたい。好奇心を刺激する仕事にチャレンジし続けることで、能力や専門性を高め、名指しでオファーがくるという好循環が回り続けるようです。

そのために「覚悟」をもって働いていることもエンジニアの皆さんに共通していました。「断らない」「やってやる」「どうにかしてみせる」。それはきっと今の仕事を超えてこそ、次の仕事があるという思いからです。
 

キャリアづくりの3つのキーワード

清水さんへのインタビューを終えて、定年を迎えられた派遣エンジニアのみなさんの柔和な笑顔の裏にあるご経験に思いをはせてしまいました。

かつて終身雇用が当たり前だった時代、60歳まで働くということはテーマにならなかったかもしれません。雇用が流動化し高齢社会を本格的に迎えるこれからは、65歳になっても70歳になっても働くことが求められる社会になっていきます。

『好奇心』『変われる力』、そして『覚悟』。いくつになっても働くうえで大切にしたいキーワードを教えていただきました。


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株式会社メイテック 

 



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