どこから円高なんだ?
円高、円高と騒がれていたり、一方で円安進行だと言われたり、ここ最近は為替がけっこう動いている。これまでも「円高」については触れてきたし、私たちは日常のニュースの中で「円高」「円安」という言葉を聞くけれど、ここでふと疑問に思ったことがあった。どこからが円高なんだ??
何を基準として円安というのだ?
同じような疑問を持っている人もきっといるだろう。なので、今回は「円高・円安」の基準について考えてみようと思う。
考える期間をベースにする
海外旅行に行くときにも円高・円安は気になるもの。
この場合、Aさんは「円高だな」と思うはずである。なぜならば、1ドル=87円を比べているのが1ドル=120円という、3年前の旅行のときの為替レートだからだ。120円から見ると87円は円高である。
一方で、Bさんは3カ月前、1ドル=81円のときに外貨を買った。そして現在は1ドル=87円になっているので、Bさんからすれば円安ということになる。(Bさんがドルを買ってからは1度も87円以上になっていないとする)
この2人の大きな違いは、見ている期間の長さである。Aさんには3年という期間があるので、その間には為替も動いている。一時的にせよ80円を突破することもあったとすれば、そのときから見れば87円はかなりの円安水準となる。
つまり、87円を基準とした場合に87円以下となったときもあるし、87円以上になったときもあったのだ。しかし、あくまで1ドル=120円のときと比べているので、Aさんにとっては1ドル=87円は円高となる。
Bさんはどうだろう。1ドル81円を付けてから1度も87円を超えていないのだから、その間はずっと円安になっていたことになる。
要するに、どのタイミングを基準とするのかによって円高になるのか、円安になるのかは違うということだ。