成績評価は、学生であれば誰でも気にかかるもの。ビジネススクールの評価は、卒業後の就職先に関わる場合や、退学につながる厳しいこともあります。どのようなものか一緒に見ていきましょう。
出席は大前提
日本の大学では、出席とレポートが1~3割、期末試験結果を7~9割程度の重みで成績がつけられます。ビジネススクールでは出席は当然の前提になり、授業中の学生間の討論やグループ発表が主要な評価項目です。さらに、個人やグループでのレポート、そして期末試験が加わるのです。学生間の討論、グループ発表、レポート、期末試験は、成績評価でどの程度大切なのでしょうか? 各項目の重み付けは、科目ごとの特徴と先生の方針により異なることとなります。
数字的に正解があるようなファイナンスやオペレーション・リサーチ科目では、学生間の討論、グループ発表とレポートの3項目で2~3割、残りの7~8割が期末試験の結果により決まります。一方で、正解が必ずしもないマーケティングや戦略論では、学生間の討論が2~3割、グループ発表1~3割、レポート1~3割、期末試験2~4割程度を考えておけばいいでしょう。
海外ビジネススクールに英語があまり得意でなく通っている場合、学生間の討論に言語的観点からついていけないことが多いため、日本人学生はファイナンスやオペレーション・リサーチ科目の成績がいいものの、マーケティングや戦略論科目の成績が悪くなることが一般的。
成績をつける際の重み付けは、ケーススタディを授業で多用する場合は、学生間の討論、グループ発表、レポートの割合が高くなります。一方で、教科書の利用が中心の授業であれば、期末試験の割合が高くなるのです。
GPAの成績により強制退学も!
海外のビジネススクールの多くと一部の国内全日制ビジネススクールでは、成績がGPAと呼ばれるもので評価されます。GPAとは、Grade Point Averageの略。海外の高校や大学、そしてビジネススクールで一般的に利用される成績評価方法で、成績全体の平均値を指します。合格者が4段階評価(A、B、C、D)され、Aを4、Bを3、Cを2、Dを1ポイントとして計算します。不合格の場合、ポイントがつきません。例えば、Aが20単位、Bが20単位、Cが6単位、Dが4単位で合計50単位取得したならば、(A:4×20+B:3×20+C:2×6+D:1×4)÷50= GPA:3.12
となり、GPAは3.2になります。
このGPAにより進級や退学が決定されるため、ビジネススクールの学生に緊張を与えるます。GPAが一定値を下回った場合、ハーバード大学ビジネススクールやINSEADなどでは強制退学させられます。強制退学は、1.6未満が一般的でしょう。
この1.6という数字を見て、日本の大学卒業者は、1.6より高い点数をとることは簡単と考えるかもしれません。しかし、海外のビジネススクールの多くと一部国内ビジネススクールでは、評価方法が日本の大学とは異なるため、1.6を超えることに必死になるのです。次に説明します。