大震災に次々と立ち上がる日本人メジャーリーガー
松坂や岡島、西岡、松井秀、イチローなど次々と積極的な支援
動きが早かったのは、フロリダ州フォートマイヤーズでキャンプを張るレッドソックスの松坂大輔投手(30)と岡島秀樹投手(35)だった。3月13日(日本時間14日)、東日本大震災の被災者への義援金を呼びかけるため、球団の公式ホームページ用のビデオ撮影を行った。普段は微妙なニュアンスの違いで誤解を生まないよう、通訳を介して発言することが多いが、今回は自身の口で伝えたいという思いで、メッセージを英語で読み上げた。翌14日(同15日)には、松坂、岡島に田沢純一投手(24)、正田樹投手(29)が加わり、ヤンキース戦前にユニホーム姿で入場ゲートに立ち、募金箱を手に支援を呼びかけた。
「できることは限られているけど、小さな動きが集まれば大きな力になる。被災した方々が少しでも早く元気を取り戻せるように、その第一歩になれば」と松坂。募金活動や公式サイトで呼びかけた寄付金は、この日だけでも3万5000ドル(約286万円)を超え、4選手もそれぞれが寄付、球団も5万ドル(約408万円)の寄付を発表した。今後も球場内に募金箱が設置され、集まったお金は米国赤十字を通じて寄付される。
同じくフロリダ州リーカウンティでキャンプを張るツインズの西岡剛内野手(26)も14日(同15日)、本拠地のあるミネソタ州ミネアポリスに生中継されたマーリンズ戦の試合前、ビデオ収録で「日本の被災者を支援するため、寄付をお願いします」と日本語で呼びかけた。続いてマイケル・カダイアー外野手が「日本の悲劇は、われわれにとっての悲劇でもある」と協力を訴えた。球団をあげての義援金募集活動に「各国の協力しようという努力が見えた。一日も早い復旧を願うだけです」と西岡は話した。
アリゾナ州フェニックスでは緑ゴジラが吠えた。アスレチックスの松井秀喜外野手(36)が13日(同14日)、ロッキーズ戦で、飛距離140メートルの特大1号を放った。オープン戦27打席目で生まれた移籍第1号。「ほぼ完璧でした。飛距離どうのより、いい打撃でした」と自画自賛したが、松井秀らしかったのはその後だ。手元に戻ってきたホームランボールにサインして、日本人報道陣の中で東日本大震災により大きな被害を受けた宮城県出身の記者に「辛いだろうけど頑張って」と手渡した。これにはサインボールをプレゼントされた本人はもちろん、周囲の報道陣も目頭を熱くした。