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魔球‘カッター’で復活を狙うレ軍岡島(2ページ目)

レ軍・岡島秀樹投手(35)にとって2010年は登板56試合、自己ワーストのシーズン4敗(4勝)、防御率4.50と試練の年だった。そんな岡島が今季、魔球カッターを武器に復活を狙っている。

瀬戸口 仁

執筆者:瀬戸口 仁

野球・メジャーリーグガイド

ヤンキース守護神リベラも武器とするカッターを操れるか

メジャーリーグにおいて、カットボールはひじょうに有効な変化球だ。パワーヒッターの多いメジャーでは、バットの芯に当たれば、どのコースでもスタンドに持っていかれる確率が高いが、バットの芯を少しでも外せることができれば、当たってもホームランになることは少ない。ストレートとあまりスピードが変わらないカットボールは、カーブやスライダーに比べてタイミングが合わせづらく、バットの芯を外すには持って来いの変化球となる。

このカッターを最大の武器にしているのは、ヤンキースの守護神であるマリアノ・リベラだ。09年にメジャー史上2人目の通算500セーブをマークしたリベラは、当初はセットアッパーで、「初速と終速の差が最も少ない投手」として注目され、1997年にクローザーに転向した。その間もなく、キャッチボールをしている時にたまたまカッターに遭遇。試合で試してみると面白いように切れ、「バットをへし折る電動ノコギリ」といわれるようになった。以後、MAX95マイル(約153キロ)のストレートとカッターだけで、559セーブも積み上げたのである。カッターは通常、水平に変化するものだが、リベラのそれは必ずしも水平に変化せず、タテにも大きく変化するので、ひじょうに打ちづらい。

ここで岡島に話を戻そう。岡島のカッターもリベラのように大きく変化する。「カーブみたいに大きく曲がるんですよ。狙ったところにいっている。まっすぐみたいな軌道でいくようになれば、左(打者)にも使えますね」。右打者の内角だけでなく、左打者の外角へも有効に働くとなれば、新球どころか“魔球”になる。

昨年12月には第3子となる次男も誕生した岡島。今年は昨年5月までラグビートップリーグのサントリーで4年間通訳を務めていたジェフリー・カトラー氏(27)が専属で通訳になることにもなった。自らも年男として、昨年の屈辱を晴らし、来年につなげるため、新球カットボールに全てを賭ける。
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