「トノウ・カーベックス」によってフランク・ミュラーの斬新な美学を確立

フランク・ミューラー

1992年発表の「トノウ・カーベックス」。クラシカルなこのオリジナル・モデルから、多彩な「トノウ」の世界が展開した

フランク・ミュラーはまた、高度なメカニズムだけでなく、現代人のライフスタイルにマッチしたスタイリッシュなデザインを創出した点も見逃せない。機械式時計でありながら、この種の時計にありがちな堅苦しい雰囲気を少しも感じさせないのは、フランク・ミュラーならではのセンスである。

最も有名なのが、「トノウ・カーベックス」と呼ばれる、どの角度から見ても立体的な曲線で描かれた、湾曲トノウ(樽型)ケースである。20世紀初頭からアールデコ期にかけて、初期の腕時計にしばしば見られ、長く忘れられていた歴史的なデザインが、フランク・ミュラーによって現代に甦ったのである。この優美なケースとともに、やはり初期の腕時計に用いられていたノスタルジックなビザン数字を配した文字盤のデザインは、フランク・ミュラーの代名詞になった。

ブランドのアイコンを演じる「トノウ・カーベックス」のデザインは、多くの模倣を生む結果になった。しかし、フランク・ミュラーは、そのデザインを生かしながら、さまざまな複雑機能を加えたり、「ヴェガス」や「クレイジー・アワーズ」のような意表を突く特殊機能を搭載するモデルを開発して他の追随を許さなかった。こうして、ユニークなデザインと機能を併せ持つフランク・ミュラーの腕時計は、現代の革新をたえず先取りする存在になった。


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