原油価格の現状トレンドは?
NY原油(WTI)の2008年以降のチャートを見てみましょう。「日経平均高値更新! どこまで上がるかを探る2つの方法」の記事では、ローソク足の形状にはそれぞれ意味があることを解説しました。それを参考に2008年末に原油価格が底を打った日のローソク足を見てみてると、下影陰線であることがわかります。
さらに、2008年の高値と安値からこれまでのチャートに、上値抵抗線と下値支持線を加えると、2010年の途中でこれらの線がクロスしていることがわかります。これらの線については「2011年、株式相場は上がるのか?下がるのか?」の記事で解説しました。読んでない方は参考にして下さい。
三角の角に似ていることから、これを「三角保ち合い」と言います。そしてローソク足は、この三角を上に突き抜けていることがわかります。これを「上に放れる」と言い、トレンドが上向きになったことを表します。反対に、三角の下に突き抜けた場合には、「下に抜ける」と言い、トレンドが下向きになったことを表します。
つまり、NY原油(WTI)の価格は、昨年途中からさらなる上昇トレンドに入ったことがわかります。
今後の原油価格はいくらになる?
そして、2008年の週足チャートを見ると、下落する過程で窓が3つ開いていることがわかります。窓については「日経平均株価は年初来安値更新で大底を打ち、反転か?」の記事で解説しました。読んでない方は参考にして下さい。上昇の勢いが強い場合には、これらの窓を埋めながら上昇していく可能性があります。そして、相場が過熱化した場合には、1バレル147.27ドルの高値辺りまで上昇し、Wトップとなる可能性もあるでしょう。
地学リスクによって、相場が転換点を迎えることがこれまでもありました。いくら上昇トレンドとは言え、中東の情勢不安が治まれば過熱感も沈静化し、原油価格の上昇が落ち着く可能性もあります。目先の動向に右往左往することなく、不測の事態に対応することが大切になるでしょう。