｢これしかない家づくり｣と｢グレード別の家づくり｣

依頼先を決める前に 

依頼先は工務店であっても、ハウスメーカーであっても、建築家であっても、実際に現場で作業をするのは職人です。しかしひとえに職人といっても、どこにこだわりをおいて家づくりをするのかによって、職人の心構えは大きく変わります。

30年前と比べて建物の構造はもちろん、設備や仕上げも大きく変わりました。もちろん安全な構造や機能的で豊かな設備がたくさん増えましたが、それは良い意味でも悪い意味でも、グレード別の家づくりになったように感じます。グレード分けされた設備や製品を組み合わせるだけの家づくりです。それではどれも同じような家になってしまいます。

依頼先を決める前にまずは家をつくることの楽しさやおもしろさを考えてみましょう。そこで自分のこだわりを持つことにより、職人の心構えも大きく変わるはずです。

一生に一回の買い物というフレーズにだまされるな！ 

住宅の広告チラシや営業マンのトーク、ＣＭなどで、｢家は一生に一回の買い物！うちに任せれば安心です！｣というフレーズを時々見かけます。しかし、一生に一回の買い物ということ自体が間違っているのです。住宅は商品ではなく、自分達家族の自己表現の場です。そして自分の生き方を建て物の形や空間を通して子どもたちに伝える場でもあるのです。だから建物をつくるというのはおもしろくて楽しいのです。一生に一回の買い物というフレーズにだまされてはいけません。