グレードアップした普通車
1号車から8号車までの普通車は、従来の新幹線車両と同じく、通路を挟んで2人掛と3人掛のシートが並ぶ。但し、シートピッチ(シートの間隔)が広がり、普通車では初めて後頭部があたる部分に可動式ヘッドレストがつくなど、グレードアップしゆったりした感じとなった。窓下にコンセントもつきパソコン使用などに便利だ。車内設備としては、車椅子対応の大型トイレが随所にある。また女性専用のトイレと洗面所があるのは目新しい。その一方で、カード式公衆電話が3号車に残っているのは意外である。
落ち着いた上質空間のグリーン車
9号車はグリーン車。真ん中の通路をはさんで、両側2列なのは従来車同様だ。デッキ付近の木目調の壁をはじめ、シートの色を含め車内は茶系のインテリアでまとめられている。居間に座っているような落ち着いたグレードの高いくつろぎの空間である。しかし、こんな高級なグリーン車が霞んでしまうほど鮮烈なインパクトを世間に与えたのが、最高級車両グランクラスだ。話題沸騰、最高級のグランクラス
10号車は、ロングノーズの先頭車なので、客室として使える空間は、中間車の半分にすぎない。普通車の定員は、トイレなどサービススペースのあるなしで85~100名(5号車のみ車内販売準備室、多目的室、車椅子用大型トイレなどでかなりのスペースを割いているので定員55名)、ゆったりしたグリーン車でさえ55名あるのに、グランクラスは僅か18名である。通路をはさんで2人掛と1人掛のきわめてゆったりした座席は、航空機のファーストクラスに匹敵する。ベッドかと見まごうほどのリクライニングは列車内とはとても思えない。専任のアテンダントさんが至れり尽くせりのサービスをしてくれ、非日常の空間のようにも感じられる。正に一度は乗りたい憧れの車両であろう。
半世紀以上にわたって旧国鉄からJRに至る車両には、普通車=モハ、クハ、サハなど旧3等車を意味する「ハ」、グリーン車=モロ、クロ、サロなど旧2等車を意味する「ロ」が付けられ、旧1等車を意味する「イ」は往年の展望車マイテ以来、欠番状態だったが、久々に「イ」に相当する車両が登場したとも言える(但し、新幹線電車の形式としては、正式にはカタカナの記号は付けない)。
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