一時払い個人年金保険にはいろいろなタイプがある

個人年金保険は、老後の生活費を準備するための保険です。何年もかけてコツコツと保険料を積み立てて、60歳や65歳などから、10年や15年などの一定期間または死亡するまで年金で受け取るのが基本です(本記事では以後、このタイプを「従来型」とします)。

同じ一時払いの個人年金保険でも、円建てや外貨立てなど様々な種類がある

同じ一時払いの個人年金保険でも、円建てや外貨立てなど様々な種類がある



最近は、退職金などのまとまった資金を加入時に一括で払う、一時払い専用の商品が増えています。この「一時払い個人年金保険」は、年金の受け取りをスタートするまで、5年か10年の一定期間を据え置く商品がほとんどです。もちろん、中には1年か2年で受け取れる「即時型」もあります。

さて、一時払いには、いろいろなタイプがあります。どんなタイプがあるかを押さえておきましょう。

「円建て」と「外貨建て」がある

まず、保険料を運用する通貨によってタイプが分かれます。「円建て」と「外貨建て」です。前者は日本円で運用するタイプ、後者は米ドルや豪ドルなど、日本円より金利の高い通貨で運用するタイプです。

■円建て
以下の4つのタイプがあります。

1)従来型で保険料を一時払できる商品
同じ年金額なら、分割で払うより、保険料は少なくて済みます。

2)積立利率が変動する商品
保険料を運用する積立利率が変動し、増加分は将来の年金額に上乗せされます。毎月など定期的に見直しを行いますが、加入時に設定された最低積立利率を下回ることはありません。

3)市場価格調整型
解約返戻金を受け取るときに、特別な仕組みが設けられています。具体的には、解約時の市場金利が加入時と比較して上がっている場合、解約返戻金額が減少し、逆に下がっている場合は増加することがあります。

4)変額型
保険料を特別勘定と呼ばれる投資信託で運用する。

1)~3)は、基本的には、将来の年金額が決まっていて、中途解約しなければ元本は保証されています。4)の変額型は運用成果によって年金額が変動するので、将来の年金額は確定していません。元本保証はないのが基本ですが、一時払保険料が最低保証される商品もあります。

■外貨建て

従来型を外貨で運用するタイプと、市場価格調整型がありますが、どちらかというと後者のほうが多いようです。外貨では元本保証ですが、受け取り時の為替によっては元本を割ることもあります。

ニーズを見極めて一時払い個人年金保険のタイプを選ぶ

一時払い個人年金保険を選ぶときは、ニーズの見極めが大切です。安全志向が強いなら、前ページの円建てタイプ1)~3)が向いています。投資経験は少ないが投資にチャレンジしてみたい、少しでも増やしたい意向があるなら、4)の変額型か外貨建てを選ぶのも手です。

どのタイプを選んでも、中途解約は元本割れの可能性があるので、据置期間が満了するまで解約しないこと。そして、変額型と外貨建てはリスクの種類を理解してから加入することが大切です。変額型のリスクは、保険料を運用する投資信託の投資対象によって、流動性・価格変動・金利変動・為替など、実に様々なリスクがあります。外貨建てのリスクは為替の変動です。

貯蓄性は「返戻率」で判断する

個人年金保険に限らず、貯蓄性を求める保険は、その良し悪しが選ぶポイントの1つになります。では、貯蓄性の良し悪しはどう検証すればいいでしょうか? それは、「返戻率」をチェックすればわかります。

返戻率は、下記の計算式で求めます。年金原資は年金一括受取額、年金基金など、商品によって呼び方は異なりますが、据置期間が終わったときに年金額を計算するもとになる金額です。ちなみに10年間など、年金で受け取った場合の合計額は、年金原資より多くなります。

年金原資÷払込保険料総額×100

上記の計算式で計算した結果、100より大きいほど、貯蓄性が良いということになります。変額型の年金原資は確定していないので、返戻率の計算はできません。外貨建ては外貨ベースの返戻率は計算できますが、円に戻した場合にどうなるかはそのときの為替相場で異なるので、厳密な計算はできません(為替は加入時と同じと仮定して計算し、比較するのが一般的)。

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