最近の地デジチューナー事情
地デジ機能がないパソコンで、地デジを見たい、録画したいなら、地デジチューナーを導入してみよう
2008年4月にPC用デジタルチューナーが解禁され、7月には地上デジタル放送の普及を阻んでいたと言われる著作権保護ルール「コピーワンス」の改善策である「ダビング10」がスタート。薄型大画面テレビやBlu-ray Disc(BD)レコーダーの普及なども後押しし、「PCで地デジを視聴する」というライフスタイルも市民権を得るに至った。
当初は地デジ1チューナータイプが主流であったが、最近ではBS/110度CSデジタルチューナーを合わせた3波チューナーや、2番組同時視聴や同時録画が可能なダブルチューナーモデルなども出そろっている。
タイプはPCIスロットやPCI Expressスロットなどに装着する内蔵タイプのほか、USB接続タイプも用意されている。デスクトップPCなら内蔵タイプを利用すると設置スペースを取られずにすむが、外付けタイプであればPCの乗り換えにも手軽に対応できる。
ほとんどの機種が録画機能を備えており、HDD容量が許す限り録画ができる。BDドライブを持っていれば、BDへの保存も可能だ(一部非対応)。
iPhoneやワンセグケータイなどへの転送機能に注目
録画した番組をPCで視聴したりBDに保存するのも魅力だが、ワンセグチューナーやiPhone/iPod touch、PSP(プレイステーション・ポータブル)などに録画番組を転送できるモデルもある。この機能を使えば、映画やドラマ、紀行番組など長期保存したい番組をBDに保存し、バラエティー番組やニュース・ドキュメンタリーなど好きな時間に見たい番組をポータブル機器で楽しむといった使い分けが可能だ。「録っても見る時間がない」という人でも、ワンセグ番組をポータブル機器に転送して視聴すれば、通勤時間や移動時間を有効活用できる。公共交通機関での移動の多い人は、ぜひこのあたりの機能にも着目してほしい。
長時間録画モデルもある
最近では、BDレコーダーで主流の「8倍録画」や「10倍録画」といった長時間録画モードを搭載するPC用デジタルチューナーも増えている。放送波そのままに記録するDR(TS)モードが最も高画質なのは間違いないが、長時間モードを使いこなせばBDメディアの節約にもつながる。例えばBSデジタル放送(約24Mbps)をDRモードで録画すると、25GBのBDメディアに約2時間10分しか記録できない。だが「15倍モード」を搭載するアイ・オー・データ機器「GV-MVP/XZ」の場合、最大で約32時間程度(約1.6Mbpsの「HR15モード」)も記録できる。50GBの2層BDメディアなら、大河ドラマを1年間録画しても余るほどの長時間記録が可能なのだ。
録画時間と画質はトレードオフの関係にあるので、長期間保存したい番組を長時間モードで録画するのはお薦めしない。だが「ある映画シリーズ3部作を1枚のBDメディアにまとめたい」といった用途にはもってこいの機能と言える。
編集機能も重要
録画した番組をBDに保存する場合に、気になるのが「編集機能」だ。NHKであればほぼ不要かもしれないが、民放の場合はCMをカットして保存したいものだろう。このあたりは機種によって異なるので、不要な部分をカットして保存したい人は注意するといいだろう。次のページでは、おすすめの地デジチューナーをご紹介しよう。