フットレストの位置を変えられる機能が秀逸!
左がフットレスト、ヘッドレストを縮めた状態、右が最大に伸ばした状態。子どもの身長は約82cm
アンジェリーノではフロントチャイルドシートに独自設計の「スーパーエンジェルシート2.0」を採用しています。PAS以外の他ブランドと比較して、もっとも大きな違いはフットレストの位置が変えられる、リクライニングができる、3点式ベルトの3つになります。中でもガイドが良いと感じたのは調節可能なフットレスト。フロントチャイルドシートに子供を乗せていると、体重は基準を下回っていても身長が高くなりすぎて乗せられなくなるということがよくあります。サイドバーに膝が当たって縮こまる姿勢になり、非常に窮屈そうなのです。でも、フットレストを伸ばせれば、背の高いお子さんでも安心して乗せられます。フットレストが伸ばせないチャイルドシートの場合は、身長が90cm(3歳頃)を超えるとかなり窮屈そうに感じましたが、これならもう少し長く乗せられるかもしれません。また、チャイルドシート上部のサイドバーも3段階で傾きを変えられます。
3点式ベルトは着脱しやすい
着脱しやすい3点式ベルトだが、長さ調節に留意して
3点式ベルトはヘルメットをつけたままでも非常に付けやすく、ベルトの着脱が億劫ではなくなります。4点式、5点式のベルトと比べるとややずれ落ちやすいようにも感じましたが、ベルトをはめるのが面倒でつい省略してしまうというよりはずっといいと思います。ただ、滑りやすい素材の上着を着ている秋冬などはとくに、ベルト長をちょっときつめにしないとずれ落ちやすく、子どもが立ち上がる危険性もあります(4点、5点式ベルトの場合はショルダーベルトが外れても腰のベルトがあるので、立ち上がりづらい)。また付属のパッドはメンテナンスが楽なビニール素材なのですが、やや固めで体にフィットしづらいため、個人的にはゴムなどの薄いパッドのほうが好みでした。こちらも好みが分かれる部分だと思います。
リクライニング機能は小さい子向け?
一番傾けた状態。確かに寝やすい角度ではあるが……
「スーパーエンジェルシート2.0」のウリのひとつ、リクライニング機能ですが、ガイド自身はあまり活用しませんでした。シート下部のクイックリリースを動かすことで、シートごと約10度倒れるという仕組みなのですが、たとえ子どもが寝てしまってもわざわざリクライニングするほどでもないのでは……?とも思います。ヘッドサポートがしっかりしていて高くできるので、頭がシートから飛び出る心配は少ないですし、使うとすれば1~2歳の子が、わざと立ち上がりづらくするために使うくらいかな、と感じました。
ヘッドサポートの高さ調節が簡単
大きな解除ダイヤルは、手袋をはめたまま操作しやすい
ヘッドサポートは低くしたほうが乗せ降ろししやすいですし、上げていたほうが乗車時の安全性も高いのは明確です。ただ、なんだか面倒で乗せ降ろしのたびに調節なんてしていないという方も多いのではないでしょうか。アンジェリーノのシートはロック解除ダイヤルが大きいことと、ヘッドサポートをつかみやすいことで、手袋をはめたままでも高さ調節が容易です。また、無段階調節なので子供の身長に合わせて微調整しやすいのも特長です。パッと見では分かりにくい工夫ですが、使ってみるとかなり有効な機能だと思います。
キューティキッズシートDXのヘッドサポートも高さ調節可能
ヘッドレスト、フットレストを最大限に伸ばした状態(子供の身長110cm)
今回の試乗車にて使用した、リアシート「キューティキッズシートDX」もヘッドサポートおよびフットレストの調節が可能です。右の写真では参考までに、それぞれをもっとも高く伸ばした状態で撮影してみました。バックルもヘルメットをつけたままでも着脱しやすい設計になっています。なお、対象年齢は1~6歳未満(身長115cm以下、体重22kg以下)となっています。ただし、ガイドの主観ではありますが、この製品に限らずリアシートは足を広げて座るタイプですので、少なくとも1歳半を超えないと乗せるのは難しいのではとも思います。
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