「悪い派遣会社」の見抜き方
ところで、数年前、偽装請負や二重派遣が社会問題になったことを覚えていますか?マスコミでは製造業の事例がよく報道されましたが、実は、ビジネススピードが早く納期が厳しく問われるIT領域でも人材確保の難しさから、このような違法派遣が一部に横行していました。最近では、労働局による指導監督の徹底や派遣元の法令遵守意識の高まりにともない、まともな派遣元であればあるほど、このような違法派遣にならないよう気をつけています。業務の改善命令等を受けたことがあるかどうかは、節度をもって派遣エンジニアを活用している派遣元かの判断材料にはなるはず。2010年から、行政処分を受けた派遣元を厚生労働省のサイト「人材サービス総合サイト」できるようになりました。
行政処分までいたらなくても、「派遣エンジニアの働かせ方がちょっとおかしいのではないか?」という話は、飲み会などでも話題になることがあります。周囲の派遣エンジニアの方に評判を聞いてみるのも一案です。
派遣会社はあなたにとってどんな存在?
経済学に「情報の非対称性」という概念があります。2者間で知りうる情報量が違うと、情報の多い方が有利な取引ができるというものです。例えば、業界の動向やエンジニアのスキルアップについての情報量は、派遣エンジニアより派遣会社の方が多い。派遣会社がもっている情報をうまくひきだして、有意義に活用したいものです。現実には、派遣会社の営業やコーディネーターの質には相当バラツキがあるので、信頼できる担当者に出会うのはそれほど簡単ではありません。中には、目先の利益をあげることに必死で、エンジニアのキャリア形成に配慮のない腹立たしい担当者もいるし、こちらも生活がかかっているので、そんなことに文句をいってられないという事情もある。
でも、だからこそ、数多くの派遣会社の中からある派遣会社を選ぶときに、そういうソフト面も意識してみてほしいのです。そして、この人は信頼できるという担当者がいた場合は、その「パートナー」との関係をうまくつくっていきましょう。
エンジニアには、情報感度の高い方がたくさんいます。さまざまな方法を駆使して、あなたのワークスタイルにフィットする派遣会社をみつけてくださいね。
事務系の派遣スタッフ向けですが、ITエンジニアと共通する点もありますので、「意外と知らない「派遣会社の選び方」」もご覧ください。