赤ちゃん・育児特集/子育てライフスタイル

フランスの出産・子育て事情

フランスは出生率が高い国のひとつ。2009年の特殊出生率(1人の女性が一生に産む子どもの平均数)は1.99人と、EU圏内ではアイルランド、デンマーク、スウェーデンなどと並ぶ好成績をマーク。先進国が軒並み少子化問題に頭を抱える中、「産みやすい国」でいられるフランスの秘密はどこにあるのでしょうか。

執筆者:林 瑞絵

フランスの高い出生率の秘密は?

パパと赤ちゃん

産みやすい国、フランス。その理由とは?

まず日本でもよく知られているのが、政府からの手堅い援助政策。出産前後の検診代や出産費用は基本的に無料。約10万円の出産準備金や3歳まで毎月支給される約2万円の子育給付金には所得制限がありません。PMIと呼ばれる地域の母子保護センターでは、乳幼児の検診や授乳指導、子育て相談が受けられます。また尿失禁や臓器下垂を防ぐための筋肉運動療法士による産後の骨盤底リハビリテーションにも処方箋が出ます。これらのサービスも全て無料。新米ママにとってはかゆいところまで手が届いた充実の内容となっているのです。
 

出産は無痛分娩が主流

託児所で遊ぶ子どもたち

託児所で遊ぶ子どもたち。「3歳児神話」は存在せず、 働くママの中には子どもが0歳から預ける人も目立つ

そのような実質的な援助に加え、女性が余計なストレスを感じることなく、精神的に産みやすい環境が整っているのも大きな魅力です。例えば出産は無痛分娩が主流。9割以上の妊婦が硬膜外麻酔の使用を希望します。どうも合理的なお国柄からか、「痛みはないにこしたことがない」という考えが根底にあるようです。

かく言う筆者もフランスで無痛分娩を選んだひとり。麻酔のおかげで大変リラックスして出産に臨めました。筆者の場合は麻酔効果で辛い痛みをほとんど感じることもなく(効果は個人差があります)、意識も鮮明、イキめるので子どもを産んだ実感もしっかり感じられるという良いことづくし。日本の友人から壮絶な出産体験を聞く度に、抜け駆けして“痛みの通過儀礼”を揉み消したようで一抹の後ろめたさを感じてしまうほどです。

ちなみに無痛分娩の場合、産後の肥立ちが比較的良いこともあり、入院日数も出産後約3日と、日本にくらべ短めに設定されています。帝王切開の場合は5日以上となるようです。


>> フランスにもイクメンはいるの?

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