グループの強み活かし、高収益
親会社である中国建築工程(A株601668、H株の中国建築国際の親会社でもある)は世界最大手の住宅建設業者で、2009年7月に上海証券取引所へ上場、その際、約500億元もの資金を調達しました。2010年決算は景気回復によって前期比+65%の増益となり、売上は443億元に達しています。中国建築工程の決算書には売上の大半を占めるビルやインフラ建設の他に、不動産部門の売上が約15%占めています。この売上高はほぼ中国海外発展のものと一致するため、子会社の連結部分にあたると思われます。ただし売上面での貢献度は15%ですが、利益面では62%もこの不動産部門が占めており、このことで中国建築工程の利益率は高くなっています。売上の多くを占めるビルやインフラ建設は、中国中鉄(00390)や中国鉄建(01186)と同じく2~3%程度の営業利益率でしかなく、請負建築は基本的に薄利商売なのです。しかし不動産部門があることで全社利益を大きく押し上げているところが他の大手ゼネコンの大きな違いとなっています。
そして中国海外発展の住宅開発プロジェクトの50%以上の建設を親会社の中国建築工程が請け負っています。親会社にとっては大量の建設受注を子会社から確保できる一方、中国海外発展は相場より安い建設コストで住宅開発を行うことが可能となり、このことで業界平均以上の利益率水準を持てるしくみです。このように親子間の取引はウィン・ウィンの結果を出しており、他の大手不動産企業には見られない形です。そして中国建築工程のIPO調達資金のうち80億元を今後中国海外発展
が進める不動産事業に投入する予定とのことです。