床材・フローリング/床・フローリングのリフォーム

フローリング張替えリフォームの注意点

フローリング張替えリフォームの注意点をご紹介します。適材適所のフローリング材の選び方、剥がすのと重ね張りではどちらがいい? 張る方向はどっち向き?一緒にやっておきたいリフォームもご紹介します。(2017年改訂版、初出:2011年1月)

尾間 紫/Yuu

執筆者:尾間 紫/Yuu

リフォームガイド

フローリングを張替えリフォームする際の基本のノウハウをご紹介します。適材適所の選び方、張替えと重ね張りはどちらがいい? 張る方向はどっち向きが正しい?フローリングの張替えをするなら、ぜひ一緒にやっておきたいリフォームもご紹介します。

フローリングを張替えるなら無垢or合板? 特徴を理解し適材適所で選ぶ

フローリングには大きく分けて、無垢フローリング(単層フローリング)と合板フローリング(複合フローリング)の2種類があります。まずはそれぞれの特徴を理解して、適材適所で選びましょう。

無垢フローリングに張替えリフォームする時は、品質に注意


無垢板のフローリング

素足に暖かい無垢フローリングの人気は高い(スウェーデンパイン ホワイトオイル仕上/サンワカンパニー


無垢フローリングは木の風合いが魅力です。無垢の木は多孔質と呼ばれる構造をしていて、その小さな穴で呼吸をしています。だから冬はほんのり暖かく、夏はベタつくことなくサラサラと、気持ちのいい足触りが楽しめます。

また表面が傷んだら削り直して再使用することも可能です。ただし乾燥不良のものは、反りや狂いが起きやすく、割れが起きることもありますので、品質の見極めが重要です。張替え費用は、合板フローリングに比べ若干高めで、また美しさを保つためには丁寧なお手入れが必要です。

無垢フローリングの人気は高く、家中を無垢に張替えたいという希望も多いのですが、トイレにはお勧めできません。トイレマットを敷いても、飛び散りによってあっという間にシミになってしまったケースがありますので注意しましょう。

合板フローリングに張替えリフォームする時は、表面の材質と機能を確認

合板フローリングとは、木質ボードの上に薄い仕上げ材を張り付けて、熱圧接着して一体化させたものです。反りや狂いが少なく精度が高い工事ができますが、性能や質感は表面材の種類や厚みによって大きく異なります。

最近、増えているのがオレフィンシートと呼ばれる、木目を印刷した樹脂シートを張り付けたタイプです。オレフィンシートは、足触りがサラサラしていて、木と見分けがつかないほど完成度が高く、多くの新築マンションや一戸建て住宅で使われています。

白を基調にした部屋

アレル物質を抑制する機能を持ったフローリング材。表面は特殊化粧シート(パナソニック


合板フローリングには、本物の木を薄くスライスして表面に張り付けたタイプもあります。中でも挽き板と呼ばれる厚みのある板を張り合わせたタイプは、無垢のフローリング材とそん色ないほどの質感と高級感があります。

クラシカルな部屋

色の経年変化も楽しめる、挽き板のブラックウォルナットのフローリング材。床暖房に対応(朝日ウッドテック


合板フローリングの最大の長所は、表面加工により耐薬品性や耐摩耗性などの機能を持った製品が多いことです。アンモニアに強いタイプならペットを飼っている家や、キッチン、トイレにも安心して使えます。他にもキャスターや車椅子などの凹みに強いタイプ、ワックス不要タイプ、抗菌塗装タイプなどがありますので、生活スタイルや部屋の用途に合わせて選べます。

フローリングリフォームは、古い床をはがすor重ね張り、どっちがいい?

化粧室

洗面所の床は湿気で下地組まで腐食しているケースが多い。

フローリングリフォームには、古い床板をはがしてから張る方法と、はがさずに上から重ね張りする方法があります。

それぞれにメリット・デメリットがあり、状況によって選び方が変わりますので、まずはリフォーム業者に現場を確認してもらいましょう。

床が沈む、床鳴りがするといった症状がある時は、床組の腐食やゆるみの可能性があります。張替えリフォームの際には、床組の点検と補修をあわせて行っておきましょう。

【フローリングをはがして、張替えるリフォームの特徴】

・リフォーム前後で、床の高さがほとんど変わらない
・床組の腐食など、下地の状態を確認しやすい
・古いフローリング材をはがす工事が必要
・巾木などの周辺部材の工事が必要になることも
・工事の手間が掛かり、費用がかさみやすい
・廃材がたくさん出るので、処分費用が掛かる

【フローリングをはがさず、重ね張りするリフォームの特徴】

・リフォーム前に比べ、床材の厚み分だけ床の高さが上がる
・床が上がった分だけ、扉の調整などが必要になることも
・床下地の腐食など、状況を確認しにくい
・二重になる分、床が丈夫になる
・工事がカンタンで、費用を安く抑えやすい
・廃材が少ないので、処分費用が少なくて済む

 

フローリング張替えリフォームの際は、床の段差を解消しておく

フローリングのリフォームの際に、一緒にやっておきたいのが床のバリアフリー化です。敷居や床に段差がある場合は、この機会に段差を無くしておきましょう。大きな段差をそろえるには床組が必要ですが、小さな段差なら下地板を2重貼りにする、簡易スロープを取り付けるなどの工夫で解消ができます。

リビングの床

畳は5cm程度あるので、床高さを揃えるには床組からの調整が必要(パナソニック


フローリングの厚みは、重ね張り用ならシートタイプの1.5mm厚から、重ね張り用6mm程度、張替え用12~15mm程度です。

カーペットから張替える場合は、カーペットをはがした後の下地板にフローリング材を張っていきます。畳から変更する場合は、床組や巾木などの周辺工事が必要になりますので、その分の手間と費用が掛かります。

次のページは、フローリングを張る時、溝の方向はどっち向きが正しい?
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