入会審査は申込書中心に行われます
クレジットカードの「クレジット」というのは、「信用」を意味しています。クレジットカードが「後払い」ということもあり、カード保有者の「信用=返済能力」が問われるわけです。そのために、カード会社はその申込書を参考にして、その人の信用力をじっくり審査します。カードの申込書はカード会社に連絡すると郵送で送ってくれます。銀行のキャッシュコーナーの周りや関連施設内の特設カウンターに置かれていることもあります。また、カード会社のホームページからネット経由で申し込みすることもできます。申込書には、あなたの最新情報をきちんと書くようにしましょう
申込書に記入する場合、事前に「個人情報の取り扱いに関する重要事項」および「会員規約」を必ず読むようにしてください。それから必要事項を書いていくわけですが、求められるのは、氏名、年齢、性別、住所、電話番号、家族構成、住居形態、年収、勤務先、銀行口座、申し込むカードのブランド、暗証番号などです。氏名、年齢などは個人情報にあたりますし、年収、勤務先などは信用情報にあたります。こうしたデリケートな情報を書いていくわけで、少々抵抗はありますが、これらはすべて審査のために必要なものですからしっかり書いてください。そのほかに本人確認のために免許証などをコピーして郵送しなければなりません。審査にあたっては、あなたの経済力や返済能力をみられます
しかし、申込書を送ったからといって、誰でもクレジットカードが手に入るわけではありません。カード会社は、その申込者を入会させてもいいかどうかの審査をします。審査の判断基準は、ズバリ「返済能力」です。具体的には、支払可能見込額の調査、申込書記入の内容や利用状況等の確認が行われます。
■支払可能見込額
支払可能見込額とは、利用者がクレジット代金として1年間に支払うことができる金額のこと。多重債務に陥らないよう、平成22年の改正割賦販売法によって算定することが義務づけられました。
計算方法は
「支払可能見込額」=「年収」-「生活維持費」-「クレジット債務(クレジット会社に返済する1年間の支払予定額)」
生活維持費は、世帯の人数や住宅所有の有無、居住地によって異なりますが、以下の数値が使われます。
※人事院「標準生計費」(全国平均)より
4人世帯以上 3人世帯 2人世帯 1人世帯
住宅ローン無し(または借賃支払無し) 200万円 169万円 136万円 90万円
住宅ローン有り(または借賃支払有り) 240万円 209万円 177万円 116万円
たとえば、持ち家がなく家賃を支払っている年収250万円の一人暮らしの人は、250万円-116万円=134万円が支払可能見込額となります。クレジット債務があれば、その分は134万円から引かれます。
※クレジットカードの利用限度額は、この134万円に0.9を乗じた額が設定されます。
■申込書記入の内容
年齢は18歳以上あるいは20歳以上、仕事は最低1年以上の勤続年数を必要としているところが多いようです。
また、支払可能見込額を越えてクレジットを利用することはできないため、年収は「生活維持費」と「クレジット債務」を加算した額以上であることが求められます。
ただし、専業主婦や学生の場合、配偶者や親族の収入が考慮されるため、収入がなくてもカードを作ることは可能です。また、限度額が30万円以下のクレジットカードに関しては、過剰な債務や延滞等がなければ簡単な審査だけで発行してもらうことができます。
■利用状況
申込書以上に重視されるのが、申し込み者の過去の支払い履歴や借入状況です。カード会社は申込書で審査するとともに、個人信用情報センターに照会し、その焦げつきや延滞などの情報を調べます。運悪くそうした記載があった時には、その人のカードをもつ確率は大幅に減ります。
安定収入のある正社員がもっとも有利。派遣やフリーの人は不利になりがち
カード会社にとっては、申し込み者が返済に行き詰まり、夜逃げされるのが一番困ることです。そのため、カード会社はまず安定した収入のある正社員であるかどうかを重視します。派遣社員やフリーター、あるいは年収が高くてもフリーで仕事をしている人などは、カードを持つことがなかなか難しいのが実情です。改正割賦販売法、改正貸金業法による総量規制が入ってから、審査が厳しくなっています。将来の独立を考えている人は、会社員のうちにクレジットカードを取得しておくことが賢明です。他人より早くカードを手にしたいならネット経由で申し込むこと
最近はインターネット経由での申し込みが急増していますが、これはカード会社、申し込み者ともに、メリットがあります。申し込み者にとっては、紙の申込書に比べて約1週間は早くカードを持てます。紙の場合は、内容のすべてを第三者がイメージスキャンやパンチ入力で打ち込むため時間がかかりますが、ネット経由なら、申込者自身がすべてを打ち込みますから、その分、カード発券が早くなるわけです。一方、カード会社にとってもネット入会ならキーパンチの人件費削減になりますから、歓迎しています。最近では一般カードにとどまらず、インターネット経由で申し込めるプラチナカードも現れています。今まで時間がなくて申込を見合わせていた人も、こういったサービスを利用してみてはいかがでしょう。