オール電化住宅/オール電化住宅の実例・入居者の声

オール電化の小さくて広い家!? 冬の暖房選び 前編(2ページ目)

吹抜けのある3階建てのオール電化住宅。コンパクトながらオープンなプランニングが特徴の住宅に最適な暖房機器とは? そんな疑問の答えとなるような、“オール電化の小さくて広い家”の暖房選びについてご紹介します。

執筆者:粕谷 奈緒子

「穴だらけの家」の暖房はどうする??

屋根や外壁をしっかり断熱するかわりに、室内には一体感を持たせます

屋根や外壁をしっかり断熱するかわりに、室内には一体感を持たせます

『SH邸』では、例えばキッチンに立っていると、L型につながったリビングルームの気配が感じられ、6.5mの高さの吹抜けを通じて3階の子供室が見えます。リビングルームにも小さな吹抜けがあって、2階のホールとつながっています。2階の南側に設けられたサンルームは、食堂・キッチンの吹抜けに「浮いている」ような作りで、下の階を見下ろすことができます。

このような「穴だらけの家」は、お互いの空気が全てつながっているので、従来のようにエアコンやファンヒーターを使った「部屋ごとの冷暖房」という考え方はふさわしくありません。なぜなら、1階の居間・食堂・キッチンで吹いた温風は2階、3階へと上がっていってしまい、なかなか肝心の1階が暖まらないからです。それでは、どうしたら良いのでしょうか?

このような場合に効果的なのは、暖房に対する従来の考え方を少し変えること。具体的には、「暖房機器で熱をつくって暖かく感じさせる」のではなく、家の中全体を「寒く感じないようにする」ことです。

例えば、もし真冬の時期に、冷気を感じない5月や10月頃の「暑くも寒くもない季節」を家の中に作ることができれば、あまり暖房を使わなくても大丈夫だと思いませんか? そのためには、足下に冷たい空気が流れたり、窓に面した体が冷えを感じたりしないようにすることが大切です。これは何を意味するのでしょうか?

つまり、「どのような暖房器具を選ぶか」という以前に、まず必要なのは、「家の中で温度のムラがなくなるように、建物自体の作りをしっかりする」ということなのです。具体的には、壁や屋根の断熱を万全にすることと、断熱の弱点になる「窓」に、性能の良い断熱ガラスを使うことが重要となります。

Low-Eペアガラス(資料提供:旭硝子)

Low-Eペアガラス(資料提供:旭硝子

そこで私たちは『SH邸』の壁・屋根・基礎に、「次世代基準」と呼ばれる断熱性能を持たせ、全ての窓に、「Low-Eペアガラス(エコガラス)」と呼ばれる断熱ガラスを採用しました。「Low-Eペアガラス」とは、断熱性能を上げるために2重になったガラスの内面に、ごく薄い金属膜を蒸着させ、部屋の中から外に輻射熱が逃げにくいようにしたガラスです。

こうして、建物側の備えができました。次回はいよいよ、暖房設備器具の選定に移ります。

室内が一体になったオール電化住宅『SH邸』で、私たちが選択した暖房方式は? 次回の後編をお楽しみに!
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