ローリスク出産のための場所が、病院とは別に
窓が大きい聖路加産科クリニック。灯が灯る頃は特にあたたな印象
聖路加国際病院(東京都中央区)はNICU(新生児集中治療室)もある病院ですが、その向かいに、ローリスク妊娠の方専用のクリニックができています。
ここ「聖路加産科クリニックは中央区の支援を受け、助産師さんを中心に女性と赤ちゃんの産む力、生まれる力を引き出す施設として2010年6月にオープンしました。
決まった助産師さんが妊婦健診から産後ケアまで担当
助産師さん5~6名のチームがあなたの妊婦健診、分娩、産後を受け持ちます
副院長の堀内成子さん。聖路加看護大学教授で助産師教育の第一人者もある方です
産む力アップの応援をしてくれるのは5~6人の助産師さんで編成される4つのチーム。そのうちひとつが受け持ちとなり、妊婦健診を何度も受けるうちにチーム全員の助産師さんと顔なじみになります。
妊婦健診は1回45分というゆったりペース。気兼ねなく何でも質問でき、話をしているうちに自然と助産師さんの手が動いてマッサージタイムになることもしばしばだとか。
陣痛が始まって入院すると、チームの誰かが必ず勤務中なのでその人がお産を介助し、入院中の産後ケアも同様です。
副院長の堀内さんによれば、このように顔見知りの助産師さんが中心になって妊婦さんをみていくスタイルは、国際的な研究で「分娩をコントロールできた(自分で産めたという気持ちがある)」「鉗子分娩、吸引分娩が少ない」ほか数々のメリットがあり、デメリットはないことが示されているそうです。
医師もいるので、医療的な安心もある
医師は「ポイント健診」と呼ばれる20週、26週、36週の妊婦健診を担当。また、必要と判断された場合は、いつでも来てくれます。
帝王切開のような大きな医療行為はおこなう設備はありません。そのため、ハイリスクの妊婦さんははじめから受け入れることがてきませんし、かかっている途中でハイリスク妊娠に変わってきた場合も、聖路加国際病院をはじめハイリスク妊娠に対応できる病院に転院、あるいは搬送となります。
それでも、常勤の医師がいるので、助産院に較べれば広い範囲の妊婦さんに対応可能です。助産師さんたち自身も、医師がいることで医学の最新知識や応急時に欠かせない技術を深めるチャンスが豊かになります。
また、向かいの聖路加国際病院からは、小児科医も毎日診察に来て赤ちゃんをみています。
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