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相続税申告・遺産分割が決まらなかったらどうなる?(2ページ目)

相続税の申告期限までに遺産分割が決まっていない場合には、どうなるのでしょうか? 遺産分割が決まらなかった場合の相続税の申告手続の流れがどうなるのか確認をしておきましょう。

執筆者:加藤 昌男

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申告後に遺産分割が決まったら

遺産分割,相続税

遺産分割が決まった場合の相続税は?

申告後、平成22年11月1日に遺産分割が決まりました。その分割の内容は、Bさんが6000万円、CさんとDさんがそれぞれ3000万円ずつ取得するというものでした。小規模宅地等の特例(このケースでは2000万円の評価額が下がりました)はCさんが適用を受けることになりました。

■相続税の計算に入れる各人の取得財産
Bさん 6000万円
Cさん 3000万円-2000万円(小規模宅地等の特例により)=1000万円
Dさん 3000万円
この結果、小規模宅地等の特例の適用が受けられたため遺産が1億2000万円から1億円になりました。

■上記の取得財産から各人の相続税(※下記計算式から)。遺産分割が申告期限までに決まっていれば、最初からこの税額だったのですが。
Bさん 0円
Cさん 20万円
Dさん 60万円

※遺産が1億円の場合の相続税
1.遺産額から相続税の基礎控除を控除
1億円-8000万円=2000万円

2.「1」の金額を法定相続分で按分
2000万円×1/2=1000万円
2000万円×1/4=500万円
2000万円×1/4=500万円

3.「2」の金額にそれぞれ相続税の税率を乗じる
1000万円×10%=100万円
500万円×10%=50万円
500万円×10%=50万円

4.「3」の金額を合計し相続税の総額を算出
100万円+50万円+50万円=200万円(相続税の総額)

5.各人の相続税
Bさん 200万円×6000万円/1億円=120万円 → 配偶者軽減により0円
Cさん 200万円×1000 万円/1億円=20万円
Dさん 200万円×3000万円/1億円=60万円

還付を受ける金額

最初に納めた税額と遺産分割後の相続税の税額の差額が還付になります。各人の還付額は下記の通りです
■各人の還付額
Bさん 225万円=225万円-0
Cさん 92.5万円=112.5万円-20万円
Cさん 52.5万円=112.5万円-60万円

 

最後に

申告期限までに遺産分割が決まっていないと、相続税を多めに払うことになります。相続税が高額になる人は、後から還付が受けられるとしても資金繰りが大変になります。できれば、申告期限までに遺産分割を決めましょう。

なお、配偶者軽減と小規模宅地等の特例は、申告期限から3年間(※)適用が受けられます。
(※)裁判などで3年を過ぎても税務署長の承認を受けていれば、分割が決まった日から4ヶ月以内であれば更正の請求ができます。

 
【関連記事】
相続の基礎「遺産分割」とは?
遺言があっても遺産分割協議はできるのか?
遺産分割協議書の書き方

 

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