相続税申告の流れ

遺産分割,相続税

遺産分割が決まらない場合の相続税は?

相続税は、遺産が基礎控除額(※1)を超える場合には、相続開始から10ヶ月後(申告期限)までに申告が必要になります。その際、遺産分割が決まっていれば問題はありません。しかし、決まっていない場合には、配偶者軽減(※2)や小規模宅地等の特例(※3)が受けられませんので、相続税を多めに払わなければならないという問題が生じます。

ただし、その後、遺産分割を決めて再度申告をすれば、その多く払った分の相続税は還付になります。この還付を受ける手続を「更正の請求」といいます。

申告期限に遺産分割が決まっていない状態(未分割)で申告し、その後還付を受けるまでの流れを事例で確認していきましょう。

(※1)5000万円+1000万円×法定相続人の数  例:法定相続人が3人なら8000万円
(※2)配偶者が取得した財産が法定相続分(又は1.6億円)以下であれば、配偶者は相続税がかからないという配偶者の優遇制度。
(※3)被相続人が居住や事業で使用していた土地で一定の要件を満たすものについては高額な評価減額が出来るルール。例えば、被相続人の自宅の敷地については、評価額が最大240平米まで80%減額になります。

相続税の申告期限には未分割で申告

Aさんが平成21年4月10日に亡くなりました。法定相続人は、配偶者Bさんと子Cさんと子Dさんの3人でした。遺産は1億2000万円でした。遺産が法定相続人3人の場合の相続税の基礎控除額8000万円を超えていますので、平成22年2月10日までに相続税の申告と納税が必要になります。

■相続税の申告期限までに各人の納付すべき相続税額は、下記の通りです(※相続税の計算から)。この金額を一度納付しなければいけません。
Bさん 225万円
Cさん 112.5万円
Dさん 112.5万円

※相続税の計算
1.遺産額から相続税の基礎控除を控除
1億2000万円-8000万円(基礎控除額)=4000万円

2.「1」の金額を法定相続分で按分
4000万円×1/2=2000万円
4000万円×1/4=1000万円
4000万円×1/4=1000万円

3.「2」の金額にそれぞれ相続税の税率を乗じる
2000万円×15%-50万円=250万円
1000万円×10%=100万円
1000万円×10%=100万円

4.「3」の金額を合計し相続税の総額を算出
250万円+100万円+100万円=450万円(相続税の総額)

5.「4」の金額を取得財産で按分し各人の相続税額を算出
Bさん 450万円×1/2=225万円
Cさん 450万円×1/4=112.5万円
Dさん 450万円×1/4=112.5万円