食事はお酒心をそそるおいしさ
この日のお食事Bセットは、トリッパのトマト煮込み、チキンソテー、スモークソーセージに、ほどよくクミンが利いたニンジンサラダ、ごぼうサラダ。
お酒にもごはんにもよく合う「晩酌メニュー」のようなおかずたちは、神戸さん自身が大好きなことからバードバスに登場。みずみずしいチキンソテーも表面を桜のチップで香ばしくスモークしてあって、ビールが進むおいしさです。
そんなメニューがお客さまにも好評のせいでしょうか、店名の前にはいつのまにか「コーヒー食堂」という冠詞が加わりました。
左:小さな庭で野菜を天日干し。旨みが凝縮されたこの野菜を、ドライカレーの具として活用。 右:「水」という字のかたちに似たスイジ貝
はじまりはMotoya Express
神戸さんは取材の合い間にも、新米スタッフに快活に指示を出したり、翌日のランチの仕込みをしたりと、まめに働いていました。もし会社で働いていたとしても周囲から頼りにされる社員だったはず、と思って経歴をうかがったら、19歳でつかこうへい劇団の衣裳・制作のお手伝いをして以来、実家の自営業を手伝ったり、原宿のモトヤエクスプレスでカプチーノ販売をしたり、会社員をしたり、虎ノ門のコクテール堂で働いたりと、さまざまな仕事を経験したそう。
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秋の午後の陽射しと庭の樹が、窓辺に揺れる模様を描いていました。