カフェ/神田神保町・馬喰町・新宿・飯田橋のカフェ

cafe Birdbath(カフェバードバス)…笹塚・幡ヶ谷(2ページ目)

幸福な恋の記憶のつまった「兄貴のパウンドケーキ」をはじめ、晩酌にぴったりのごはんプレートなど、手間をかけたメニューが並ぶカフェをご紹介します。店名は女性オーナーが「鳥たちが水浴びしてリフレッシュする場所」という意味をこめて命名。

川口 葉子

執筆者:川口 葉子

カフェガイド

一杯ずつ抽出するコーヒー

スパイシーチョコレートケーキと深煎りコーヒー。

スパイシーチョコレートケーキと深煎りコーヒー。

仕込みにじっくりと時間をかけて、最良の状態で提供する。その姿勢はコクテール堂の豆を使ったコーヒーにも表れています。あわただしいランチタイムでもおいしさを大事にしたいと、コーヒーをまとめて作りおきせずに、そのつど豆を挽いてハンドドリップ。

「それぞれのお客さまが食べ終えるタイミングを見計らって豆を挽くので忙しくなりますが、淹れてから時間が経ってしまったコーヒーの味は好きじゃないので」と神戸さん。コーヒー好きなら大きくうなずかずにはいられない言葉ですね。
 

焼き菓子には岩手産の小麦粉を使って

スコーンに自家製のピンクグレープフルーツ・ジャムを添えて。オレンジ色のジャムはカルダモン入り。

スコーンに自家製のピンクグレープフルーツ・ジャムを添えて。オレンジ色のジャムはカルダモン入り。

こういうカフェには、素朴な焼き菓子がよく似合います。私がおじゃましたときには、ちょうど岩手産薄力粉で作るスコーンがほかほかと焼き上がったところ。

自家製のジャムは「ご近所の方が畑に実ったものを山ほど分けてくれたんですよ」という“笹塚産”ピンクグレープフルーツ。微かにほろ苦い風味で、このジャムを肴にヒューガルデンホワイトを楽しむお客さまもいるそう。

兄貴のパウンドケーキは幸福な恋の記憶

左上:兄貴のパウンドケーキ 左下:波照間島の黒糖チーズケーキ 右:可愛い小鳥のシュガーポットは、偶然にも神戸さんの実家にあったもの

左上:兄貴のパウンドケーキ 左下:波照間島の黒糖チーズケーキ 右:可愛い小鳥のシュガーポットは、偶然にも神戸さんの実家にあったもの

「兄貴のパウンドケーキ」は、正確に言えば「スタッフの松本尚子さんのお兄さんが、恋人のために毎年作ったパウンドケーキのレシピで作るケーキ」。
お兄さんは料理上手な人で、家にあった20年前の古いパウンドケーキのレシピをもとに改良を加え、自分流においしく完成させたのだとか。

ラムレーズンとカシューナッツ入りのこっくりしたおいしさは、クリスマスのシュトーレンのように熟成させて食べるにも向いています。
お兄さんは毎年2本このパウンドケーキを作り、1本は恋人といっしょに食べて、もう1本は1年間かけて少しずつ楽しむのですって。二人はやがて10年ごしの長い恋を実らせ、幸福な結婚をしたそう。

次ページで、お酒心をそそる食事メニューをご紹介します。
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