てんかんの治療法
てんかんに対する抗けいれん薬を使用し、てんかん発作を予防していきます
脳波や症状に応じたてんかんの種類によって、使う抗けいれん薬が異なります。発作の型に適する薬を使い、有効な量を使用することが大切です。つまり、血液中の薬の効く濃度(有効血中濃度)があり、その濃度内にしないといけません。自己判断せず、医師の処方を守るようにしましょう。
■ 血中濃度<有効血中濃度
けいれんを起こす可能性があります
■ 血中濃度>有効血中濃度
薬の副作用が出やすくなります
適切な量を使用しなければならず、自己判断で服薬を止めると、薬の効果が十分に出ず、けいれんを起こしてしまう危険が増えてしまいます。
「点頭てんかん(West症候群)」などの治りにくいてんかんの場合、ステロイドホルモンなどの治療を行います。「ACTH」という、副腎皮質ホルモンを体内に出させるホルモンを使ったり、「TRH」という、甲状腺ホルモンを出させるホルモンを使ったり、ステロイドそのものを使ったりします。また、脳外科的な治療法として、異常な電気を出している部分を切除する手術が薦められることもあります。
てんかんの予後・後遺症
てんかんになった場合の、その後の経過は、てんかんの種類によって異なります。てんかん発作を誘因する因子があります。
- 光刺激…テレビアニメの「ポケットモンスター」の番組でカメラのストロボのような光が短時間に出てきたシーンで痙攣を起こしたことで有名です。
- 睡眠不足
- てんかん発作が起こるのではないかという精神的不安
- 過度の疲労、スポーツ
- 環境の変化(転勤、転校など)
- 過呼吸
良性と呼ばれるてんかんや欠神てんかんは思春期頃までに後遺症なく完治することが多いです。また、発達障害が無い場合や薬で発作が抑えられている場合は、予後はよいと考えていいでしょう。
一方、複雑部分発作、点頭てんかん(West症候群)は治りにくいことが多く、発達の遅れなどが出てくることもあります。また、脳の病気があっててんかんが起こっている場合もなかなか治りにくいと言われています。複雑なてんかんほど治療が難しいと言えます。
そのため、てんかん発作の状態と脳波検査を行い、てんかんの種類を特定することがまずは大切になります。
てんかんに対する補助
1995年7月に精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)が改正され、てんかんでも「精神障害者保健福祉手帳」が取れるようになりました。もちろん、子供の場合は、乳幼児であれば、医療費の補助があります。障害年金の受給も可能ですので、自治体の窓口、年金事務所などで確認してください。
最後のページでは、てんかんの分類について触れておきます。
少し専門的な内容ですが、ご興味のある方はご一読ください。