てんかんの症状
「てんかん」は癲癇と書きます。突然倒れて意識がなくなり、泡を吹くなどの症状が起こります。神経はそもそも電気信号を伝えて、ネットワークを作っています。この電気信号が伝わらなくなったり、突然、電気信号が出現して神経全体に広がって神経細胞が興奮したりすることで、痙攣が起こると考えられています。共通した特徴を持つものを「てんかん症候群」と呼びます。主な症状としては
- 全身の筋肉が固くなって震える痙攣
- 一瞬、意識がなくなる痙攣
- 筋肉がピクピク動く痙攣
- 不規則な筋肉の動きの痙攣
- 体の一部の筋肉が固くなって震える痙攣
- 記憶がなくなる
- 行動異常
てんかん診断に使われる脳波検査
異常な電気信号で大きな波が起こっています
頭に多くの電極を糊のようものでつけて、寝ているだけで終わる検査なので、じっとしていられるのであれば、小さい子供でも検査可能。ただ、検査の恐怖心から動いてしまうと正しく測定ができないので、眠り薬を使って検査することもあります。
脳波の検査は30分間ほどかかりますので、検査中じっとしておく必要があります。また、検査中に寝てくれると、睡眠中の脳波が取れ、これも診断の助けになります。脳波の検査日はできるだけ子供を夜遅く寝かせ、朝早く起こしましょう。できれば昼寝をさせないようにして検査を受けさせてください。
上記症状についての問診と脳波検査を行って、てんかんかどうかを診断します。併せて、脳の奇形や血管の異常などが隠れていないか、脳の形を見る「頭部CT検査」や、磁気を使う「頭部MRI」で検査したり、血管を見る「MRI血管撮影」などを使ったりして、「てんかん」以外の病気が潜んでいないかも検査することがあります。
てんかんの種類
てんかんは、大きく「部分発作」と「全般発作」に分けられます。- 部分発作……脳の一部から始まる発作
- 全般発作……脳全体で起きる発作。左右対象で、すべての電極で大きな波や鋭い波が見られる発作
部分発作も全般発作も、さらに細かく分類され、様々な名前のてんかんがあります。例えば、倒れずに意識が無くなる「欠神てんかん」、うなづくような発作のある「点頭てんかん(West症候群)」などがあります。
今回は名前だけを紹介とし、今後、代表的なてんかんについて解説していきたいと思っています。
次のページでは、てんかんの治療法と予後、後遺症を解説します。