MBAの基礎科目2
■マーケティングマーケティングは、どのように商品を企画・販売していくのかを考える科目です。「ミクロ経済学」で挙げた例で、携帯電話会社A社が新商品をどのように売るかの戦術を考えているとしましょう。携帯電話市場がどのような状況にあり、今後どのように変化していくのか。競合相手は誰か。新規参入者はいないか。新製品の販売網、広告戦略はどうするべきかなどを決めるために有効な方法論を勉強します。
■組織・人事論
企業を構成するのは人で、人をどのように配置するかが組織です。こうした人材の有効活用、会社の戦略に合わせた組織はどういったものがいいかを掘り下げます。
ガイドは、INSEAD在籍中、なぜ組織・人事論をわざわざ勉強するのかわかりませんでした。簡単だと思っていたのです。日々の仕事では学べないファイナンス、戦略論、マーケティングの授業こそ、MBAで必要だと思っていました。しかしながら、MBA取得7年後にガイドが経営者になった際、十分勉強をしなかったことを悔いたのがこの組織・人事論でした。日々の仕事で学べないどころか、チーム長とチーム員の関係が製造業とサービス業でどう違うべきか、戦略に合わせてどのように組織を変化させるかなど、とても奥が深いのです。
■ファイナンス
どのようなビジネス活動も、「お金」なしには動きません。企業がどのように「お金」と付き合うべきかを考える学問です。また、企業の所有者である株主に対する責任をどうするか? どのような配当政策をとり、株価対策を講じることは、ファイナンスの大きなテーマです。
■財務・管理会計
財務会計は、企業の日々のビジネスの営みを外部に対して年度末に損益分岐表、貸借対照表の2表で示します。この2表から企業の分析を行うのが財務会計分析で、財務会計科目で行うことです。例えば、ある会社にモノを売却し相手先がお金を払ってもらえるかどうかなどをチェックするためにこうした分析は必要になります。
一方の管理会計は、企業内部にある会計データを自社の意思決定や組織のコントロールなどに利用していく会計手法のことを指します。戦略を立てる際に必要な数字作成や利用方法を学びます。
■オペレーションズ・リサーチ
製造業においては、効率的にかつ効果的に製品をつくることが必要とされています。この効率的かつ効果的に行う方法論を学ぶのがオペレーションズ・リサーチです。例えば、あなたが配送業者のリーダーとなり、どのようにトラックや運転手を配置するかなどを学びのです。オペレーションズ・リサーチは、サービス業にも適用され、銀行でどのような店づくりをするとお客様の待ち時間を短縮しかつ満足度があがるかなどを研究することも行います。
■統計学
数字の裏付けのないビジネスはありません。数字をどのように加工すると裏に隠れている法則性を見出すことができるかを探るために、統計学の勉強が必要になります。法則性をうまく発見できると、成功しているビジネスに注力するなど経営戦略上も役立ちます。