泡のように弾けた現実、外から作られた価値観を引き摺る世代。シビアな時代を生き抜いてきた30代、20代後半の女性から冷たい視線を浴びても気付いていない!?
妙にハイテンションでポジティヴなようでいて、いまひとつ実がともなってないように聞こえてしまうから。 世を席巻し続けている、恋愛マニュアルや婚活本もそう。
近年は恋愛や結婚することが難しくなっていると言われている時代。ますます、その勢いは増しているけれど、一方では、その中身にどうにも違和感を覚えている人は多い。実は、私もそのひとり(恋愛コラムを執筆していてナンですが)。
恋愛も結婚も意義のある素晴らしいものだと思うけれど、だからこそ、「モテないと、愛されないと負け!」とか「とにかく結婚しなければ!」みたいなメッセージを安易に伝えたくない。
そう思ってしまうのは世代のせい――私自身が団塊ジュニアの氷河期世代だからかもしれない。現在の恋愛マニュアルや婚活本の多くは、バブル的な思想が根底にもとづいたもの。結婚や女の幸せ=獲得するべきステータス的な戦闘的な発想と姿勢が見え隠れしていて、そこに疑問を抱いてしまうのだ。
バブル世代の女たちが生み出した価値観に苦しむ下世代
バブル女は「死ねばいい」 婚活、アラフォー(笑)
ちなみにバブル女とは、1960年代後半生まれの現在、40代前半の女性たちのこと。80年代後半~90年代初頭のバブル景気の頃に社会に出て、いわゆる美味しい思いをした人たち。 団塊ジュニアとは、1971~1974年を中心とした現在、30代後半の女性たち。ベビーブーマー世代であり、熾烈な受験戦争を乗り越えたものの、バブルは弾けて就職氷河期を経験。途方にくれた世代。香山リカさんには“貧乏クジ世代”と呼ばれている。
「デザート」という従来の言葉を「スイーツ」という言葉に言い換えてオシャレ感をコーティングしたように、バブル世代は、「中年女」を「アラフォー」と言い替え、従来のお見合いパーティーや結婚情報サービスなどを、「婚活」という言葉にまるごとくるんで、そこに潜むカッコ悪さをごまかしつつポジティブ風に変換して流行らせた世代。
そして、その流行りに振り回されてきたのが団塊ジュニアをはじめ、下の世代の女性たちだ。 バブル世代と、下の世代とでは結婚に対する価値観も見解も大きく異なる。ゆえに、バブル女性たちが作り上げた、婚活ブームに乗ったところで、迷い子になってしまうのは当然なのだ。
とはいえ、現在の婚活市場においては、バブル女は40代にも関わらず、かなりの商品価値があるという。それは、いったいどうしてなのか? (婚活という概念自体が、バブル世代の作りだしたものだから、当然と言えば、当然ですが) 「とにかく結婚したい」という下の世代も必読だ。