プラハ旅の楽しみ方

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チェコ語でオペラの上演をするために建立された国民劇場

中世の時代から、東西を結ぶ交通の要衝として栄えてきたプラハ。こうしたなかで、プラハは独自の文化をはぐくみ、中欧の文化の中心地として発展を遂げてきました。そして、それはこの街に多彩な顔をもたせることになりました。音楽の街、美術の街、建築の街、そしてビールの街……。プラハの多彩な顔を切り取るようにして楽しむのが、この街の旅の仕方だと思います。

音楽の街、プラハ

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ルドルフィヌムで開かれた演奏会の様子。プラハでは毎日どこかでコンサートが開かれている

なんといってもプラハは音楽の街です。劇場や教会、ホテル、レストランなどで毎日のようにどこかでコンサートがあり、しかもどのコンサートもハズレがなく、質の高い演奏を楽しむことができます。とくに「プラハの春」は世界的に名高い音楽祭で、チェコの生んだ音楽家スメタナの命日に合わせ、毎年5月12日、代表作である「わが祖国」の演奏ではじまります。「プラハの春」は日本人にも高い人気を誇り、会期中はおおぜいの観光客が集まります。

「プラハの春」の主会場は、共和国広場にある市民会館のスメタナ・ホールと、ヴルタヴァ(モルダウ)川沿いにあるルドルフィヌムのドヴォルザーク・ホールの二カ所です。市民会館はアール・ヌーヴォー様式の美しい建築で、内部の見学ツアーではスメタナ・ホールも見ることができます。

一方ルドルフィヌムはネオ・ルネサンス様式の荘厳な建物で、ドヴォルザーク・ホールはヨーロッパでももっとも古いコンサートホールのひとつに数えられ、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団の本拠地となっています。

ヴルタヴァ河畔にたつ国民劇場は19世紀半ば、チェコ語で上演する劇場として建立されました。当時オーストリア帝国の支配下にあったチェコが自治を獲得できるようにとの願いが込められていました。

こうした歴史的な背景があるため、今日もチェコの人たちは国民劇場の舞台に立つことを誉れと感じています。シーズンごと、チェコ人がつくったオペラや演劇の数々のプログラムが用意されています。観劇のあとは国民劇場の前にあるカフェ・スラヴィアに行くのが伝統です。

ヴァーツラフ広場の突き当たりにある国民博物館の並びの国立オペラ劇場は、もともと新ドイツ劇場と呼ばれ、プラハに住むドイツ人が国民劇場に対して、ドイツの作品を上演する舞台として建てたものでした。現在は世界各国の名作を上演するオペラ劇場になっています。

かつてプラハにはドイツ人とチェコ人が勢力を二分していました。ドイツ人は数の上では圧倒的に少なかったのですが、大きな工場を経営する人などが多く、経済を握っていました。プラハにあるこのふたつのオペラ劇場の生い立ちは、プラハの街の歴史を理解するに欠かせないエピソードになっています。