癌(がん)/がんの基礎知識・ステージ・転移

医師の家族ががんになったとき(2ページ目)

自分が患者さんになった時、患者さんの家族になった時、特にそれががんのような大きい病気であればあるほど、お医者さんが何を考えているか、不安になったことありませんか?

山田 恵子

執筆者:山田 恵子

医師 / 女性の健康ガイド

お医者さんと患者さんの家族が考えていることは、違うのでしょうか?
『祈りを込めた家族の愛情で支えたい』

お医者さんと患者さんの家族が考えていることは、違うのでしょうか?
お医者さんと患者さんの家族が考えていることは、違うのでしょうか?
でも、私は医師ですが、前頁のような言われ方をした時に、例え結果としてある程度治療が効果があり、例えば痛みがコントロールできたとしても、
『はいそうですか、わかりました』とあっさり納得して、余命1年を粛々と心安らかに過ごせるかといわれれば、あまりそんな気はしないのです。どこか割り切れずに多分、ものすごく戸惑って、あちこちのドアを叩いてしまうと思います。

それはただ単に、私が未熟だからかもしれません。でも人間、そんなに悟れるものでしょうか。悟れないから効果のはっきりしない高額な民間療法が沢山存在するのではないかと思います。

でも、自分が医師の立場からすると、そんな確率論を言うお医者さんも、どこかで葛藤していると思うのです。
でも、じゃあ、どうすればいいの?という話になりますが、実はそれを皆さんに考えていただきたいと思っているのです。

『祈りを込めた家族の愛情で支えたい』…娘である私はそう願いました。

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さて、今回、医師であり、そして末期がんの父を看取った家族の視点から医療を見たガイドの新刊が発売されます。

お医者さんは、当たり前ですが、特定の患者に対して考えたことを公表できません。でも、だからこそ、お医者さんの思いが見えにくくなって、患者さんの不安がかき立てられ、共感や理解がしにくくなっている一面もあると思うのです。そこで今回は、私は家族でかつ医師であったため、父に対して主治医が思うことをある程度推察できました。つまり仮ですが、医師が1人の患者に対して職業的に感じることを知っていただける貴重な機会になると思います。私の体験を、皆さんが我が身に置き換えていただき、医療とは何か、生命とは何か、大切な人に今自分ができることは何かを、考えるきっかけに少しでもなればと思います。

医師には医師のできること、家族には家族のできること、そして、患者さんには患者さんができることがそれぞれあると思いますし、それをちょっと考えることで、より豊かな生活を送っていただきたいと考えています。


・ガイドの新刊『生命の羅針盤 -医師である娘が末期がんの父を看取るとき』はこちら。
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