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ワクチンで予防できる狂犬病や伝染病(3ページ目)

ワクチンで予防できる犬の伝染病。その病気にはどんなものがあるのでしょうか。また、ワクチンの接種時期は? 犬のワクチンについて知っておきましょう。

大塚 良重

大塚 良重

犬 ガイド

犬専門ライター歴25年以上。1頭の犬との出会いが人生を変える。愛犬への感謝を胸に、ライターへと転身した後、犬専門月刊誌や新聞での連載や、取材記事、書籍、一般雑誌、web等で執筆。特に犬の介護、シニア犬、ペットロスはライフワークテーマで、「犬と人との関係」に最もアンテナが動く。信条は、“犬こそソウルメイト”。

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母犬から譲り受ける免疫、移行抗体

子犬期のワクチンを接種するタイミングが大事
子犬期のワクチンを接種するタイミングが大事。
ワクチンを接種する前に知っておいていただきたいことがあります。それは「移行抗体」のこと。子犬は胎盤や初乳をとおして母犬から移行抗体をもらっています。これによってある程度の免疫力はすでについているのです。ただし、この移行抗体は徐々に消滅しはじめ、生後12~14週くらいで消えてしまいます。移行抗体が残っている間にワクチンを接種しても無意味であり、また移行抗体が完全に消えてから接種するのでは、その間に感染症にさらされる危険性があるということになります。理想的なのは、移行抗体が下がりはじめ、かつ感染の危険性が高まらないうちに接種をすることですが、ワクチンを接種するタイミングが難しいのは、この辺に理由があります。

よって、移行抗体が消滅してしまうだろう思われる時期までに、複数回の追加接種を行うことになります。生後どのくらいの時期に何回のワクチン接種をするか、これをワクチネーションプログラムと呼んでいますが、今現在、日本では統一されたようなものはなく、獣医師の考え方や、その子の健康状態などによって接種する日にちには若干の差があります。

動物病院別に、
  • 生後8~9週で1回目、生後12~14週で2回目、計2回の接種 
  • 生後6週で1回目、生後9週で2回目、生後12~14週で3回目、計3回の接種 
  • 生後8週で1回目、生後12週で2回目、生後16週で3回目、計3回の接種
などのワクチネーションプログラムがありますので、動物病院で相談してみてください。

ワクチン接種時の注意事項

ワクチンを接種する際に気をつけたいこともあります。以下のようなことには気配りをしてくださいね。
  • 食欲がない、元気がない、下痢をしているなど、体調が悪い時には接種を控える
     
  • ワクチン接種後(特に30分~数時間後)にはショック症状など副反応が出るケースもあるので、経過がよく観察できるよう、何かあった時にはすぐに病院に行けるよう、なるべく午前中にワクチン接種を済ませる
     
  • 上記と同じ理由で、接種後は顔にむくみが出ていないか、呼吸が粗くなっていないかなど、犬の様子をよく観察すること。接種した直後は、すぐに自宅に戻らず、病院の中や駐車場でしばらく様子を見ているほうがより安全
     
  • ワクチン接種の前後には激しい運動は避ける。シャンプーも数日はしないように
     
  • 接種後、抗体が安定するまでにはしばらく日数がかかるので、遠出などの外出はなるべく控える
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