古い映画のワンシーンのよう。
ワインにチーズケーキ。そして大人のジャンクスタイル。 これらの組み合わせをこよなく愛しているオーナーが営む、 アンティークショップともカフェバーともいえる不思議な店。 ワインにケーキって??と思うけれど、”ワインにチーズ”と 言ってみればあたり前のこと。ここのチーズケーキは少しビターで 上品な大人の味。ワインとしっくり合うのです。
代官山の裏通り。階段を2階へ上がっていくと、 小さなステンドグラスが施された、つつましいドア。 ちょっとドキドキしながら、そっとドアを押し開けると、 昔にタイムスリップして、誰かの家に忍び込んでしまったかの ような、懐かしい寛いだ雰囲気で、セピア色の空間が現れます。 置いてあるものは男性的でハードな印象のものなのに、 どこか温かみを感じるのは、オーナーの人柄なのでしょうか。
いい感じに色あせてくったりした風合いのソファや、 ぼんやりとだいだい色に光るランプ、 使い込まれた戸棚の中には、 微妙なゆがみが複雑な反射を生み出す、 小さな薬瓶なども並べてあり、隅々まで独特の味わいがあります。 奥の方には楕円のブラウン管が個性的なテレビが、ひょこんと座っていました。 「これ、もう売約済みなんですよ」とオーナーが嬉しそうな寂しそうな ちょっと複雑な表情で笑います。 もともとは使えなかったテレビを、専門家に頼んで映るようにしてもらったのだとか。 その他、ここにあるものは古いけれど、みんな使えるものばかり。 40年代から60年代くらいのものが多いそうです。
途中、ジリリリーンというアナログな機械音が鳴り、 ああ、これも使えるんだ、とはっとさせられるような、 旧式の電話もありました。 反対側では手作りのバーカウンターに、形もデザインもバラバラなスツールが並んでいます。 来るとみんななんとなく、それぞれのお気に入りに座るのだとか。 仕入れたもの一つ一つに愛情を注いで、 古いものを丁寧に修理し、大事に使う姿勢に心打たれました。
オーナーはアパレル系の会社を辞めた後、店の準備をする傍ら、 ワインを出すためにワインスクールへ通い、 ホームページを作るためにWEBデザインの学校へも行って、 全部自分1人でできるように勉強したのだとか。でも実際はそこで出会った仲間 との縁もオープンに大きく関わってきたようです。 落ち着いた話し振りの中に人をホッとさせるような安心感があり、 居心地の良い空間を生み出していました。 大勢でわいわい行くのではなく、この空気を好きな人がこっそりと静かに 訪ねたいような、大人の隠れ家です。
another Door
東京都渋谷区恵比寿西2-10-7-2F
tel 03-3462-2483
Weekdays 15:00-19:00 (cafe & shop) 19:00-24:00 (wine bar)
sunday & holidays 13:00-19:00
http://www.another-door.com
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