ベトナム・ハノイ　問屋街と市場巡り(2ページ目)

ハノイの３市場巡り

ドンスアン市場。２階以降は布や洋服がぎっしり。
こうやって店を巡っている間もざんざんと太陽は容赦なく照りつけ、 しつこいですがバイクは相変わらず騒音と排ガスを撒き散らしています。 しかも旧市街は旧という名の通り、本気で昔ながらの店ばかり。当然クーラーはありません（これもしつこいが結構命がけだったのだ）。 水（ミネラルウォーター）はあちこちで売られているので、モノ探しに夢中になって脱水症状にならないように。 ちなみに水は野ざらしで、冷蔵庫には入っていません。値段もまちまち（だいたい3000～5000ドンくらいかな）。 ぬるい水でなんとか喉を潤し、夏のベトナムは体力勝負！とマジで心の底から痛感しました。

問屋街でどっぷり疲れた体に鞭打って、足を引きずりつつ今度は市場を調査します。 （嘘。本当はカフェで２時間近く休憩しました。そうでないとやってられません。） ハノイの市場は旧市街に２つ。ドンスアン市場とハンザ市場があります。 さらに旧市街からはちょっと離れたところにあるホム市場へも足を伸ばしました。 市場はどこも２階以上が衣料品や布屋さん。オーダーメイドの服なんかはここで頼めます。 金持ちマダムを気取ってみたかったけど、そんな余裕もなく、とりあえず１階を全面的に歩いてみました。 だいたい豆とか乾物とか調味料、お菓子、そして肉屋や八百屋もぐちゃぐちゃとひしめいています。 狭い通路と強烈なにほひ。足元はびちゃびちゃしています。 こういう悪環境を覚悟できる人にとってはまさにパラダイス！ 様々な珍しい食材、得体の知れない調味料に遭遇し、見たいものが多すぎて、目がチカチカするほど。 素朴を通り越して素っ気ないくらいのカゴを売っている店などもあって、思いがけない収穫も。 まあとにかく、この猥雑な活気がたまらんのです。ベトナムの食の底知れぬパワーを肌でひしひしと感じます。 少しテレ屋のホム市場のおじちゃんと仲良くなり、２度ほど訪れてカゴを購入（もちろん値切る）。 最後には握手して、友情を確かめ合ったのでした。 ちなみにハンザ市場にはバッチャン焼きコーナーがあります。ここがすごいのだ。商魂たくましい。 各ブースの店員がしつこくまとわりついてきて、「バチャン、ヤスイ」と連呼します。 椅子を出してきて、座ってゆっくり選べと強制されます。 こういうアジア特有のうっとおしさもまとめて、楽しむ心意気が大事かと思います。

ベトナムの日常に見かける雑貨

番地プレートや床のタイルも気になるもののひとつ
さて、ベトナムで一番興味深かったのは、実は普通に町中で使われている道具たち。 売ってるものよりずっと魅力的に見えるのですから、始末に悪いのです。 みんながお茶を飲んでいる、疲れた風情のコップ。 キズだらけのアルミのお盆。朽ちた木の椅子、壊れかかったかご、味が染み込んだスプーン。 活気あふれるパワフルなベトナムでは、道具も使われることによって、 一層活き活きと輝いて見えるのかもしれません。 カラフルだけどくすんだ色合いがベトナム特有の空気感。 欲しい、と思っても売ってない。呑気に手を動かす彼らに、うらめしい視線を送り続けていました。 しかし、暑くて暑くてどうしようもないとき、道端で団子を売りつけようとするおばあちゃん。 パタパタ仰いでいるくたびれたうちわを、こっちが欲しい、と試しに言ってみたら、「○ドン」と結局売りつけられました。 （まああまりに安かったから買ったけど）。結果、この買い物が一番のお気に入りで実用的だった！ クーラーも冷蔵庫もないハノイでは、うちわが唯一の生命線。軽い竹でざっくりと編まれた大振りのうちわは、 ひと扇ぎで、ばふふーっと見事な風を送ってくれます。ああ、気持ちいい。生き返る。 うちわを見るたび、貪欲で元気いっぱい、どうしようもなく暑くて猥雑なベトナムがふわりと思い出されます。



カゴ・ざるの使われ方いろいろ



町の風景いろいろ。
左上：キッチュなプラスチックの椅子に座ってお茶を飲む人多し。
右上：くすんだパラソルと壁の色がなんともしれずいい風情。
左下：家やカフェの軒先には鳥かごがいっぱい。縁起もの？！
右下：チェー（ベトナム風みつまめ）の屋台。うつわや匙がいい。

最後のページはベトナム・ハノイで見つけたお土産たち