雑貨/生活雑貨・デザイン雑貨

マスキングテープ・マニア

一度ハマったらもう抜けられない?! 魔性のテープ、マスキングテープとは? 工事現場で使うのに、素材は和紙。カラーも豊富。かわいくて使い勝手もいい、この魅力ある雑貨の秘密に迫ります。

江澤 香織

執筆者:江澤 香織

雑貨ガイド

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これがマスキングテープです

写真を切り貼りしてアルバムを作ったり、旅先のチケットや包み紙で日記を飾ったり。 紙のコラージュは最近ブームといってもいいですが、 その中でジワジワと密かに盛り上がっているのが、このマスキングテープなのです。 一度使い出したら止められない、中毒ともいえる症状が出てしまうほど、 人の心を捉えて離さないこのテープ。そんなマスキングテープを愛する、マニア(?)たちの実態を探ってみました。

気がつくと、マニアックな愛おしさがこみ上げてくる

ROBAROBA cafeでの風景。店主いのまたさんはヘビーユーザー。
下左:いのまたさんの手帳。珍しいテープを見つけたら、すかさずペタっと採取。
下右:今まで集めたマスキングテープの色見本。ここまでくると相当マニア。
さてさて、マスキングテープとは、本来「塗料を塗りたくない境目の部分に貼り付け、 塗装が終わったらはがす」という使い方をするもの。ペンキを塗ったり、 絵を描いたりするときに使うのが普通で、 主にホームセンターや画材屋さんなどで販売しています。 素材はさらっと薄く透け感のある紙(実は和紙だそう)で、 手で無造作にビリッと切ることができます。 私がマスキングテープに初めて出会ったのは東急ハンズでした。 その頃は名称も用途もあまりよく知らず、素朴な生成り色と紙の質感が気に入って、セロハンテープ代わりに愛用していたのでした。

マスキングテープの魅力に改めて目覚めたのは、経堂にあるROBAROBA cafeに行ったとき。店内に何気なく貼られていたお知らせメモやポストカードが、カラフルなテープで彩られており、なんともかわいい雰囲気を醸し出していたのです。そういえば、ROBAROBA cafeから送られてくる展示会のお知らせ封筒にも、色とりどりのテープが使われていました。こんなテープがあったんだ!そこで私は初めて「マスキングテープ」という固有名詞を認識したのでした。

ROBAROBA cafeの店主、いのまたせいこさんは以前からマスキングテープの愛用者。それが訪れるお客さんの目に止まり、口コミでじわじわと人気が高まってきたようです。店の常連でもあるコラージュ作家・オギハラナミさんもその魅力にハマったひとり。さっそくホームセンターに走り、色や太さなど、バリエーションが様々にあることを 発見!以後、新色を見つけるたびに報告し合うなど、いのまたさんとマニアックな情報交換が行われていたとか。自分の作品にも乱用していたようです。気がつけば、多種多様なマスキングテープが集まりました。そして、さらにこのマニアックぶりに輪をかけたのが、a2g+(books)の辻本さん。辻本さんは、ハマったらとことん追求するおたく肌。そして、行動派。いのまたさん、オギハラさ んをぐいぐいと引っ張って、マスキングテープ熱は頂点に達し、とうとう「マスキングテープ工場に行こうよ!」とまで言い出す始末(笑)。そして、3人はついに工場見学にまで行ってしまったのです! 首をかしげる現場の方々を尻目に、目を輝かせて興奮する女子たち。粘着力のことしか考えていなかった、という研究者たちにとって、彼女たちの視点は、ある意味新鮮だったようです。

アイディア次第で利用方法無限大

貼って剥がせるのが、マスキングテープのいいところ。
一度使ったのをまた貼って、リサイクルもできてしまいます。
このテープが通常よく使われているのは、ビルの工事現場など。「ガラス注意!」や「ペンキ塗りたて!」 の横に、そっけなくこのテープが貼られていたりするのです。 ステーショナリーではなく、ラッピング用品でもなく、あくまでプロ仕様の実用重視なテープ。 だからこんな風に使うのは、間違っているのかもしれません。 色違いがあるのも、本来は企業別で色分けていたり、ガラス、コンクリートなどの素材別 に使う色を決めていたりするからだそう。

でも写真のように、ただ壁にバラバラ貼り付けてみても、なんだか絵になってしまう (という思い込みかもしれないが)。 ビニールテープが油性マジックだとしたら、マスキングテープは色鉛筆のような、 素朴で柔らかなタッチ。色と質感に、ほのぼのと温かい、独特のニュアンスがあります。 いくつかの色を使って自由に散りばめ、その絶妙な色合わせを楽しむのも、このテープの 魅力のひとつ。壁にポスターを貼ったり、プレゼントのラッピングにしたり、食べかけの菓子袋を留めたり。気がつくと、部屋中の”貼るもの”にマスキングテープを 使っていました。もともと「剥がすためのテープ」だから、貼るにもあまり 気兼ねがありません。間違えちゃってもすぐ剥がせます。何度も使えます。粘着力はあるのに、剥がしたら跡が残りにくい、というのも、 このテープの特徴なのです。なんて便利なテープなのでしょう!



次ページでは、展示会のご案内。マスキングテープが4都市を巡回します!
ロバロバカフェ ロバロバカフェ
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