雑貨/生活雑貨・デザイン雑貨

原宿 Style-Hug Gallery ものづくりの絆

原宿の裏通りにある、とある古いマンションの一室。まるで隠れ家のような空間で、静かに熱い展示が行われています。

江澤 香織

執筆者:江澤 香織

雑貨ガイド



外観

どう見ても普通のマンション。こんなところにギャラリーがあるなんて!


原宿から千駄ヶ谷方面に向かう裏通り。賑やかな表通りとは一変して人通りが減り、 ひっそり静かな時間が流れています。 そんなところにぽつんと建つ、古く目立たないビル。 階段を上がった2階の突き当たりに、小さなギャラリーがあります。 無機質な扉の横に、ささやかな看板があるだけの入り口。 扉を開けるのにどうにも勇気が要る雰囲気ですが、思い切って開けてみましょう。 そこには穏やかで心地良い、ファンタジックな世界が広がっていました。

作品の世界観を表現できる場所として

アンティークテーブルの上に作品が並ぶ
パリのアパルトマンみたいな風情の室内には、ヨーロッパの古い家具や道具がさり気なく 置かれ、誰かの秘密の部屋を覗いてしまったかのような、 少しミステリアスな空気が漂います。 Style-Hug Galleryは、昨年(2007年)にオープンしたギャラリー。 まだ新しいはずなのに、もう昔からそこに佇んでいたかのような、 静かで落ち着いた空間です。

元々古いものが好きだったというオーナー。 20代の頃に初めて行ったパリで、蚤の市のおしゃれな古着や小物 にはまったのが最初のきっかけでした。 それまではブランド品などを追いかけていたのが、 無名のなんでもない古いものを、ものすごくおしゃれに格好良く使いこなしている パリジェンヌが衝撃的だったそうです。 そこからコツコツと集めはじめ、気がついたら家の中は古いものばかりに。 今でもときどき、あちこちの蚤の市などに出かけているそうです。

店内の様子
作品が古道具に溶け込んで、一味違った印象になります。


この場所は、最初は事務所として使う予定で借りた部屋でした。 Style-Hug Galleryギャラリーを運営する母体は、 様々な商品の企画やデザインを行う会社「REAL PRODUCE」。 「メイド・イン・ジャパンにこだわったものづくり」をテーマに 事業を行っており、多くの職人やクリエイターと出会ううちに だんだんと、ものづくりをする人々の世界観を表現できるような空間が欲しい、 と思うようになったそうです。

「ここは普段は事務所とショールームも兼ねています。 ギャラリー会期以外は、打ち合わせに使ったり。 ギャラリーとしては始まったばかりで、まだまだ手探り状態ですよ(笑)。 作家さんとは様々な良いご縁でつながった人たちなので、 丁寧に時間をかけて紹介していきたいと思っています。 私たちの普段の仕事も、表現する要素が大いにあるので、 こちらからも企画を立てて、作家さんと一緒に空間のイメージを練り上げます。 私たちらしい空間を表現することで、 作家さんにも新しい可能性を見出してもらえたら嬉しいです」。


店内の様子
部屋の奥は、ちょっぴり寛ぎスペース。


次ページでは、取材時の展示作家・岡田直人さん、竹俣勇壱さんの作品をご紹介します。
店内
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