目印は洋書屋さん。1階はおいしい和食屋さんです。
つい先日まで、下北沢に露崎館という古い建物がありました。昭和12年に 建てられた、元は下宿屋だったというこの木造建築は、 残念ながら取り壊されることになったのです。 そのビルには、小さくて魅力的なお店が細々とひしめき合っていました。 その中のひとつだったfuchiso(フウチソウ)は、 青山に移転。静かにお店を再スタートさせました。 銀座線の外苑前から、ベルコモンズの脇を通り、 ワタリウム美術館からすぐの場所。ちょいっと路地を入った 左側です。小さなマンションの階段を上って2階に上がります。
自分らしい表現ができる空間
場所柄もあってか、下北時代より一層落ち着いた雰囲気 |
今度のお店は少し広くなって、二部屋あります。
昔からモノが好きで、働くなら雑貨屋しかありえないと思っていた、 という店主の小松綾子さん。 かつてはインドネシアの家具卸し会社で4年ほど働き、 スタッフが少なかったことから、商品の企画から営業、はたまたコンテナの荷降しまで、 あらゆる業務に関わっていたそうです。
「目が回るほど忙しくて、今だったら絶対無理だと思いますが、若さゆえにやる気に満ちていました。 なんでも吸収したいという思いも強かったですね。 いい人生経験になりました」。
その頃からだんだんと古いものにも興味を持ち始め、 次はアンティークショップで働きます。 日本の古布やアジアの少数民族が織り上げる布、 世界各地の様々な手仕事の布に魅せられ、引き込まれていったのもこの頃。 さらにものづくりをする人々とのつながりも深まりました。 古いものも新しいものも手作りのものも、いろんな要素を融合させて、 もっと自分らしい表現のできる場所を作りたい、という思いが徐々にふくらんでいったそうです。
「今お店にあるものは、古いものが7割、新しいものが3割くらいでしょうか。 個人店だからできることを、自分にとってきちんと納得のいくかたちで やっていきたいと思っています」。
何気ないディスプレイが素敵です。
次ページでは、ものに少しクローズアップしてご紹介します。