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住み替えるなら家賃助成等のある都心の街へ

都心回帰と言われ、都心に人口が戻りつつある昨今。とはいえ、中にはさらなる人口増を目標に家賃や転居費用の助成助を行う自治体があります。住み替えるなら、こうした制度利用も手かもしれません。

中川 寛子

執筆者:中川 寛子

住みやすい街選び(首都圏)ガイド

都心中心に6区が家賃や転居費用補助を実施
区ごとに条件、募集時期が違うので要注意



家賃・転居費用助成
家賃等の助成は定住促進、居住水準の改善を主な目的として実施されている
現在、家賃等の助成を実施しているのは都心を中心に6区。かつて10区近くが実施していたことを考えると、助成自体は縮小傾向にあります。とはいえ、ファミリーで毎月3万円(新宿区)、単身者で毎月1万円(新宿区)の家賃助成や、転居時に一時金として20万円(限度額。千代田区)を助成してもらえるのはありがたい限り。どの自治体でも、それほど面倒な書類が必要なわけではありませんから、試してみる価値はあります。


ただ、注意したいのは、申請の時期。常時受付けている自治体もあれば、1年のうち、特定の時期だけ、あるいは年度始めから先着順になど、ルールは自治体によってさまざま。早めに調べておいて、上手に活用したいものです。では、以下、自治体ごとにどのような補助、助成をしてくれるのか、その内容などをあいうえお順にご紹介しましょう。

■北区
子どもが2人以上のファミリー、三世代世帯に30万円を限度に転居費用助成


居住面積に入らない水まわり
北区の場合、居住面積の要件には水回りなどは含まれないので注意が必要
18歳未満の子どもが2人以上いる家族、あるいは親子孫の3世代で暮らす世帯に、転居時の礼金・仲介手数料の合算額のうち、30万円を限度に助成をするというもの。所得制限も、住替え後の家賃の制限もなし。条件としては申請日までに引き続き1年以上北区内で、最低居住水準未満の賃貸住宅に居住しており、住民税の滞納がなく、他の住み替え家賃等の助成制度を利用していないことなど。転居先の条件は民間の賃貸住宅であり、最低居住水準以上の住宅であること。


子ども2人の4人家族の場合、最低居住水準は32.5m2となっており、これには風呂場や縁側などは含まれません。作業スペース以上の広さのあるDKは含まれるので、6畳3室の3DKで、DKが8畳などであれば、OKという計算です。ただ、間取りのうち、どこが居住面積に入るのかは素人判断をするより、事前に住宅課に相談に行くのが早道。契約前に相談しておき、契約後に正式な申請、助成してもらうという段取りになります。

■新宿区
単身者、ファミリーに家賃助成、子育てファミリー転入・転居助成など多彩なフォロー


新宿区役所
助成等の申し込み書類は区役所や図書館などで入手できる
各種助成制度が充実しているのが新宿区。単身者向きへの家賃助成があるのはここだけです。新宿区の家賃助成は申し込み期間が決められており、2006年は10月2日から16日。区役所などに用意された申込書を郵送して申し込みます。単身者の場合の用件は申し込み時の年齢が18歳から28歳で、申し込み時点ですでに新宿区の民間賃貸住宅に住んでいること。家賃は9万円以下(管理費・共益費は含まない)で、家賃の滞納がないことなどの要件もあります。助成金額は月額1万円で最長3年間の助成が受けられます。募集者数は30世帯で、前年の倍率は3.1倍。抽選が行われます。


ファミリー向きの家賃助成も申し込み期間は単身者同様。こちらの募集世帯数は50世帯で17年度の倍率は5.2倍。申し込めるのは義務教育終了前の子どもと同居、養育していることで、すでに新宿区の民間賃貸住宅に居住しており、平成17年中の世帯の総所得が510万円以下のファミリー。家賃は22万円(管理費・共益費は含まない)以下であることも条件です。

新宿区では子育てファミリー世帯の居住支援として転入助成、転居助成も行っています。これは、義務教育終了前の子どものいるファミリーが新宿区に転入、新宿区内で転居する際に助成を受けられるというもの。まず、転入については、転入するまえに申請を行い、転入後に助成を申請しなくてはいけませんが、礼金・仲介手数料などの合計で最大36万円、引越しの実費で最大20万円の助成が受けられます。家賃は18万円(管理費・共益費は含まない)以下であることが要件です。助成予定世帯は30世帯で、新年度から順に受付、住宅課の窓口での申請になります。

転居に関しても予定登録申請、転居助成申請の2度の申請が必要で、助成予定世帯は20世帯。義務教育終了前の子どものいるファミリーが、子どもの成長や出生に伴い、より広い住宅に住み替えるときに助成されます。転入、転居のいずれの助成も、所得制限がありますし、転居には広さの制限もありますので、詳細は問い合わせを。

■台東区
年収、子どもの数によって助成額が加算される家賃支援制度


子どもイメージ写真
台東区に限らず、子どもが増えると加算される自治体は他にも
年収から算出した基準家賃を超えた額を差額家賃として最大1万5000円までを最高10年間助成、さらに、子どもの数が増えれば助成額が増えるというシステムを導入しているのが台東区。年収500万円で子ども2人の世帯の場合、基準家賃は500万円÷12カ月×20%で、8万3333円となり、たとえば、10万円の家賃を支払っていた場合の差額家賃は1万6667円で、そのうち、1万5000円までを助成してもらえます。さらに2人目の子どもには1万円の助成が加算されるので、助成額は2万5000円に。


台東区の場合、募集世帯は150世帯で、募集は6月下旬から7月下旬の1ヶ月間だけ。5月中には「広報たいとう」や区のホームページなどで告知されるので、忘れずにチェックを。その他の要件についても確認してみてください。

では、次ページでは千代田区、文京区、目黒区の助成制度を見ていきましょう。
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